再生可能エネルギーは、サステナブルな社会を目指すには必ず考えないといけない。現在、世界では様々な課題を抱えている。その中でも特に大きな課題は、地球温暖化と気候変動だ。地球温暖化の一番の原因は温室効果ガスの過度な発生である。温室効果ガスは、石油・石炭の消費や天然ガスの発掘、燃料の燃焼などで発生する。従来行われてきた火力発電は温室効果ガスを多量に発生させる。この発電を続けていけば地球温暖化がさらに進行し、どんな気候変動が起こるか想像もできない。だが、再生可能エネルギーは温室効果ガスをほとんど発生させない。発電のために石油・石炭などを使わないからである。さらに、輸入燃料に頼らずエネルギーを供給できるというメリットもある。現在日本は発電を8割以上化石燃料に頼っている。その化石燃料は輸入に頼っている。以下の図1は日本がどれほど輸入に依存しているかを示している。

図1 日本の化石燃料輸入先(2023年)1)
図1からわかるように、ほぼ100%輸入である。もしこの国々が情勢不安に陥り、発電ができなくなったらどうなるだろう。明日から電気が使えませんと言われたら、不便などというレベルではない。そうならないために、日本だけでも電気が供給できるようにしなくてはならない。
そこで今後重要になってくるのは、再生可能エネルギーの推進である。日本の土地を有効活用した地熱発電や風力発電は、外国に頼ることなく発電ができる。さらに日本の再生可能エネルギーに関する最新技術は外国にも生かされている。これによって日本の経済が活性化され、より新技術開発に力を入れることができる。
ここまで火力発電と比較していたが、原子力発電はどうだろう。確かに原子力発電は二酸化炭素をほぼ排出せず、外国から輸入した燃料を再処理・再利用して準国産化している。さらに発電量が多く、安定している。ただ、そんな原子力発電にもデメリットが存在している。それが大きな危険性だ。2011年3月11日に東日本大震災が起こった。その地震が原因となった福島第一原子力発電所事故の被害は凄まじかった。事故地から約300km離れた場所でも影響が及び、福島第一原子力発電所付近の海水から安全基準量の約16倍もの放射線が検出された。この事件からもわかるように、原子力発電は大きな危険性を伴っている。それに比べ再生可能エネルギーは事故のリスクが小さい。悲しいことに事故の件数はゼロではない。だが原子力発電と比べ被害が少ない。事故の観点からも再生可能エネルギーは期待されている。
既存の発電と再生可能エネルギーを比べ、再生可能エネルギーのメリットを提示してきたが、再生可能エネルギーにも課題がある。ここでは代表的な2つの課題を提示する。1つ目は発電量が安定しないことである。風力発電や太陽光発電は季節や天候によって発電量が左右されてしまう。これでは安定とはほど遠い。2つ目は発電コストが大きいことである。以下の図2は各発電の発電コストである。
図2 2020年の電源別発電コスト試算結果の構成2)
図2からわかるように、再生可能エネルギーは火力発電や原子力発電と比べ、発電コストがとても大きい。さらに発電の効率が低く、推進するには難しい。このように一見メリットだけしかないように思えるが、課題も多く、このまま進めていくのは難しい。だが、日本の最新技術にはいつも驚かされる。この技術がさらに発展していき、先ほどあげた課題を解決する未来もそう遠くないだろう。再生可能エネルギーがどのような未来を開いていくのか今後注目していきたい。
出典
1)経済産業省資源エネルギー庁,日本のエネルギー 2024年度版「エネルギーの今を知る10の質問」(accessed Aug.18 2025), https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2024/02.html#section1
2)経済産業省資源エネルギー庁,電気をつくるには、どんなコストがかかる?(accessed Aug.18 2025),
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/denki_cost.html

