2026年研究発表会:講演プログラムと発表概要

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  • 期日:2026年11月12日(木),13日(金)
  • 会場:サンポートホール高松(〒760-0019 香川県高松市サンポート2−1 ホール棟)
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11月12日(木)

特別講演会( 14:30~17:15,1083教室) 司会:宮本裕介(関電工)

  • 開会の辞:会長 加藤 和彦(産業技術総合研究所)
  • 教育委員会活動紹介:教育委員会委員長 小林広武(電力中央研究所)
  • KSES招待講演:「(タイトル未定)」 韓国太陽エネルギー学会(KSES)元会長 Kwang-Hwan Choi
  • 特別講演1「大地の成り立ちから見た讃岐うどんと高松城下」/国立大学法人香川大学 地域・産官学連携戦略室 特命教授 長谷川 修一 氏
  • 特別講演2「藻場の造成とブルーカーボン」/国立大学法人香川大学 副学長(研究・産官学連携・特命担当) 末永 慶寛 氏
  • 閉会の辞:副会長 吉永 美香(名城大学)

セッションA1(9:30~10:50):住宅のエネルギー評価Ⅰ

1   エネルギー自立を目指した住宅におけるシミュレーションと実測の比較 ―将来気候を見据えた住宅設計への活用の可能性―
    ※大出達弘(株式会社カメプラン/みんなのオフグリッド研究所),伊藤耕祐(日本大学),阿部滉也(日本大学大学院)
     エネルギー自立を目指した自社モデルハウスを対象に、エネルギー需給のシミュレーション結果と実測結果を比較し、その傾向を報告する。また、将来気候への対応を視野に入れ、エネルギー自立を目指す住宅の設計におけるシミュレーション活用の可能性について考察する。
2   戸建て住宅における再生可能エネルギーによる自立条件の研究 − エネルギー消費パターンの影響 −
    ※阿部滉也(日本大学大学院),伊藤耕祐(日本大学),大出達弘(株式会社カメプラン/みんなのオフグリッド研究所)
     脱炭素化のため、建築物からのCO2排出の大幅削減が不可欠である。本発表では、太陽光発電パネル、蓄電池、給湯タンクを有し都内に実在する住宅をモデル化し、著者らが開発中のエネルギー需給計算ソフトを用いて解析する。エネルギー消費条件として、給湯器の稼働時間帯を変えた場合や家電等の電力消費も含めた場合など、いくつかの需要パターンについて検討した結果を報告する。
3   戸建住宅における再生可能エネルギーによる自立条件の研究 − 空調負荷および設備能力の影響 -
    ※伊藤耕祐(日本大学),阿部滉也(日本大学大学院)
     脱炭素化のため、建築物からのCO2排出の大幅削減が不可欠である。本発表では、福島県郡山市に実在する住宅に断熱改修を施し、再エネ・蓄エネ設備を導入したという想定で計算モデルを作成し、著者らが開発中のエネルギー需給計算ソフトを用いて解析する。空調負荷、太陽光発電能力および蓄電池容量が異なるいくつかの条件について、それらの影響を解析した結果を報告する。
4   パッシブデザインを活用した木造戸建て住宅のエネルギー性能評価に関する研究(第四報) パッシブデザインと発電・蓄電設備の寒冷地での評価
    ※今村拓人,西川豊宏(工学院大学),持田正憲(武蔵野美術大学)
     寒冷地(3 地域)を対象として、パッシブデザインおよび太陽光発電・蓄 電池設備を組み合わせた住宅における電力需給特性を検証し、温暖地域と の比較を通じて、気候条件の違いが住宅の電力需給およびエネルギー自立 の成立性に与える影響を報告する。

セッションB1(9:10~10:50):光電変換

5   ガウシアンビームを用いた光無線給電向け全直列矩形セル光電変換モジュールの設計
    ※青貫翔,落合夏葉,鈴木優紀子,大島由佳,鈴木雅人,髙橋円(NTT株式会社)
     光無線給電は太陽光パネルを搭載しにくいドローン等へ太陽エネルギーの利用範囲を拡大する手段として期待されている。光無線給電では不均一な光強度分布のレーザーで送電するため,セル間の隙間による受光損失と直列セルの電流不整合を同時に抑制する必要がある。そこで,加工が容易な矩形セルのみからなる24セル全直列モジュールを設計した。数値解析の結果,提案構造は受光損失10.93%,電流不整合損失0.07%を示し,モジュール効率32.44%を達成した。
6   ヨウ化ホルムアミジニウム鉛(FAPbI3)ペロブスカイト薄膜の成膜条件が薄膜特性および太陽電池変換効率に及ぼす影響
    ※山岡恵輔,鈴木弘朗,西川亘,林靖彦(岡山大学)
     ペロブスカイト太陽電池の性能は,ペロブスカイト層の結晶品質や膜形態に大きく依存する.本研究では,FAPbI₃薄膜を対象に,アンチソルベントの種類および滴下タイミング,アニール条件,さらに作製環境の温度・湿度が,薄膜の結晶構造,光学特性ならびに太陽電池の変換効率に及ぼす影響を調査した.また,各成膜条件と結晶成長挙動との関係を解析し,高効率デバイス実現に向けた最適な成膜条件について検討した.
7   フレキシブルシリコン太陽電池の耐久性向上技術の検討
    ※指宿洋介(東京電力ホールディングス株式会社)
     軽量・柔軟なフレキシブルシリコン太陽電池の長期耐久性向上を目的に、受光面プラスチックへの表面コーティングを検討した。加速劣化試験の結果、コーティングによる変色等の劣化が抑制され、特にフッ素樹脂で高い保護効果を確認した。また、コーティングによる発電特性への影響は小さく、耐久性向上手法としての可能性を示した。
8   Zn2SiO4:Mn蛍光体を用いた太陽光発電効率向上の検討
    ※柳澤有香(株式会社本田技術研究所)
     ペロブスカイト太陽電池の高効率化を目的として太陽光を長波長化する透 明フィルムを研究している。 波長変換材料として用いる蛍光体粉末(Zn2SiO4:Mn)の外部量子効率と蛍光 スペクトルを測定した。測定結果から導出される発電効率向上量上限を示 す。
9   ヨウ化ホルムアミジニウム鉛FAPbI₃ペロブスカイト薄膜および太陽電池性能に及ぼす前駆体溶液濃度の影響
    ※趙駿簫,鈴木弘朗,西川亘,林靖彦(岡山大学)
     ヨウ化ホルムアミジニウム(FAI)とヨウ化鉛(PbI2)を前駆体,酢酸エチル(EA)を貧溶媒としてFAPbI3太陽電池を作製した.AFMによる表面形態観察および光吸収特性評価を行い,セルの電流-電圧特性との関係を検討した.その結果,正方向掃引において変換効率11.3 %を達成した.また,RMS粗さが大きい試料ほど変換効率が低下する傾向が確認され,表面形態が光電変換特性に影響することが示された.

セッションC1(9:30~10:50):太陽熱利用Ⅰ(集光・集熱技術)

15   東西方向に設置した二重CPC型集光器の年間集光性能の評価
    ※田邉壮太(東京農工大学大学院)
     本研究は複合放物面集光器(CPC)に拡張ミラーを組み合わせた二重CPC型集光器について、季節による太陽光入射角の変化に対応するため、集光器の長手方向を東西方向に一致させて設置した場合の集光性能向上を目的とした。そこで、拡張ミラー幅および南側CPCミラー高さを設計要素として二重CPC型集光器を設計し、東京に設置したときの1年間の集光シミュレーションを行い、各設計要素が集光性能に与える影響を分析した。
16   東西方向に設置した片側二重CPC型集熱器の太陽集熱性能の実測
    ※阿部修叡(東京農工大学大学院)
     本研究では、複合放物面型集光器(CPC)の外側に放物面ミラーを拡張した二重CPCに着目した。従来の二重CPCから北側ミラーを省いた片側二重CPCを使用し、日中の太陽移動を効率的に受光するため長手方向を東西方向に設置した。風の影響を防ぐためアクリル板で覆い、拡張ミラーの幅が集熱性能に及ぼす影響を実測により評価・検証した。
17   高効率太陽集熱器の研究開発 その1 波長選択吸収膜の高効率化
    ※奥原芳樹,上出龍星,横江大作(一般財団法人ファインセラミックスセンター)
     太陽光から高温の熱源を創出するためには、太陽光の高吸収性と赤外光の低放射性を両立させる波長選択的なcut-off吸収が重要となる。本研究では、β-FeSi2半導体のバンド端吸収にAgナノ粒子のプラズモン共鳴吸収ピークを加えた新たな太陽熱吸収膜によって、200~300℃を超える高温域での変換効率を飛躍的に向上させることに成功した。
18   高効率太陽集熱器の研究開発 その2 高効率の空気式太陽集熱器の開発
    ※相曽一浩,盧炫佑,楠崇史(OMソーラー株式会社),奥原芳樹(一般財団法人ファインセラミックスセンター)
     本報は連報その1で開発した高効率選択吸収膜フィルムを使った空気集熱器の開発について報告する。
高効率選択吸収膜フィルムに対流熱伝達促進加工を行い、集熱器内の構造を工夫することで太陽エネルギーを熱媒空気に伝熱し、透過ガラス側からの対流熱損失を低減する対流防止膜を備えたことで高性能な空気集熱器を開発した。

セッションD1(9:10~11:10):出力予測

23   降雪短時間予報を用いた降雪・積雪特性の分析と太陽光発電量予測への適用検討
    ※大林真優,若尾真治(早稲田大学),高松尚宏,大竹秀明,中島虹,大関崇(産業技術総合研究所),中山俊太朗(北九州工業高等専門学校)
     降雪地域における太陽光発電量予測の高精度化に向け,岐阜県を対象として降雪短時間予報(SRF-S)の解析値と6時間後予測値の誤差特性,市町村別の降雪・積雪挙動,PV発電量との関係を分析した。さらに,得られた知見を踏まえ,雪情報をAutoencoderに用いた発電量予測モデルへ導入し,その適用可能性を検討する。
24   LFM数値予報画像を入力としたAutoencoderによる太陽光発電量予測モデルの構築
    ※後藤夕佳,若尾真治(早稲田大学),高松尚宏,大竹秀明,中島虹,大関崇(産業技術総合研究所),中山俊太朗(北九州工業高等専門学校)
     本研究では、局地数値予報モデル(LFM)が出力する予報気象画像を入力データとして用い、Autoencoderに基づく深層学習モデルにより太陽光発電(PV)出力を予測する手法を提案する。気象画像の空間的特徴量を自動的に抽出・圧縮して入力データとし、実データとの比較により提案手法のPV出力予測の精度を検証する。
25   EMSへの実装を目的とした物理モデルに基づくPV発電量予測手法の開発
    ※村上和希, 岡本幸也, 田中孝二,都地朋陽,篠﨑崇, 藤澤彰利, 香川公伸(株式会社 神戸製鋼所)
     近年は機械学習を用いた高精度な予測手法が種々報告されているが、実設備では必要な気象データや学習データを十分に確保できない場合がある。本研究では、エネルギーマネジメントシステム(EMS)への実装性と運用性を重視し、比較的容易に取得可能な全天日射量、外気温および日時情報のみを用いた物理モデルを構築した。当社実証設備の運転データを用いてモデルを評価し、限られた気象情報の条件下でも実用的な予測精度を確認した。
26   電力エリア太陽光発電出力予測に向けた簡易的回帰手法の構築と比較評価
    ※バヤスガラン オノン,崔錦丹,植田譲(東京理科大学),宇都宮健志,山口浩司(一般財団法人日本気象協会)
     全国10電力エリアを対象に、太陽光発電出力予測のための3種類の回帰手法を構築した。日射量予測を用いる基本モデル、設備容量で重み付けした日射量予測を用いるモデル、さらに観測気温を加えたモデルを、2024年のデータで学習し、2025年の共通標本で事後的に比較評価した。気温の追加による誤差低減効果には地域差があり、全エリアの標本を統合した評価では気温を含むモデルの誤差が最小となった。
27   局地アンサンブル予報システムから出力される日射量予測 -事例分析-
    ※大竹秀明,高松尚宏,大関崇(産業技術総合研究所),山口浩司(一般財団法人日本気象協会)
     日射量予測について、今年度から運用が始まった局地アンサンブル予報システムから出力されるデータについて分析を行った結果を報告する。
28   気象衛星画像を用いた広域の日射強度推定による日射変動平滑化効果の評価と定式化
    ※鈴木 康仁,川崎 憲広(東京都立産業技術高等専門学校)
     広域に分散設置した太陽光発電の変動は、地点ごとに相互に相殺され、エリア全体の変動が緩和される平滑化効果が生じる。この効果の評価には広域かつ高空間分解能の日射データが必要である。そこで本研究では、気象衛星画像を用いて広域の日射強度を推定し、同心円状にエリアを拡大して日射変動の平滑化効果を定量評価した。さらに、エリアサイズと最大変動幅の関係を定式化した。本成果は、変動対策設備の合理的な設計指標となる。

ポスターセッション(11:00~12:00)

P1   太陽光発電の設置角度及び積雪による出力予測に向けた基礎検討
    ※工藤淳平,三島裕樹(函館工業高等専門学校)
     積雪地域における太陽光発電の出力低下を予測するため、設置角度が積雪状態および発電出力に与える影響を評価する基礎実験を行った。複数の角度で設置した太陽光パネルの積雪状況と出力を比較した結果、設置角度による出力差を確認した。今後は実験データを蓄積し、AIを用いた積雪時の発電出力予測モデルの構築に活用する。
P2   次世代太陽熱発電のためのナノ粒子混合Mn2O3系ペレット型焼結体の形状安定性とサイクル反応性
    ※小林健人,斎藤奏人(新潟大学大学院),郷右近展之(新潟大学)
     次世代太陽熱発電における化学蓄熱体として、ナノ粒子分散型Mn2O3/Mn3O4系のペレット型試料を調製した。成形体作成条件、成形体の圧縮試験に基づく形状安定性、サイクル反応性能に関する評価結果について述べる。
P3   太陽光集熱によるZnとH2Oの反応を用いた水素生成及びZnOの還元サイクル
    ※池田佳以,秋元雅翔,木村元昭(日本大学)
     太陽熱による持続可能な水素製造を目指し、酸化亜鉛の還元・水分解サイクル反応系を構築した。フレネルレンズ集光による炭素還元で亜鉛を生成し、これを水と反応させて水素を得る。本報では屋内電気炉と独自の耐熱樹脂製チャンバーを組み合わせた模擬実験を実施した。今回は常圧下で水蒸気を安定供給する反応環境を構築し、システム全体の反応性と水素生成について検証する。
P4   太陽熱利用による淡水化技術の研究
    ※吉田優人(日本大学大学院),秋元雅翔,木村元昭(日本大学)
     本研究では太陽光を集光して得られる熱を利用した蒸留による淡水化技術に着目し、低コストかつ高い淡水回収率を実現することを目的とする。集光した太陽熱を金属部品に伝え、水を加熱・蒸発させる実験装置を製作し、加熱条件や装置構造が蒸発量に及ぼす影響を検討する。得られた結果から、太陽熱を有効に利用するための条件を明らかにし、効率的な淡水化技術の実現を目指す。
P5   太陽電池モジュールのアーク試験
    ※田中和文(一般財団法人電気安全環境研究所),植田譲(東京理科大学),大関崇(産業技術総合研究所),中島昭彦(株市域会社カネカ),田中誠(太陽光発電技術研究組合)
     太陽電池モジュールの半田接続部が何らかの原因で接触不良になった場合、その箇所において発熱や最悪の場合アークが発生する場合がある。そこで本テーマではその箇所に意図的に微小なアークを発生させ、材料評価や熱設計に有効な方法を開発する
P6   パネル温度および日射量に基づく太陽光パネルの劣化率算出および故障診断に関する基礎検討
    ※柴田隼弥,雪田和人(愛知工業大学),久保直也,森田祐志,谷口和彦(株式会社きんでん)
     近年、太陽光発電設備の普及が進む中、長期的かつ安定した運用のためには、太陽光パネルの劣化や故障を適切に把握することが重要である。本研究では、2地点に設置された計4枚の太陽光パネルを対象とし、パネル温度および日射量から算出した計算値と実測値を比較することで劣化率を求めた。さらに、得られた劣化率を用いて各パネルの状態を評価し、故障診断への適用について検討した。
P7   次世代太陽電池の設置法 〜簡易で、安価な 設置技術〜
    ※平野祐晟(株式会社Seaside/九州大学大学院)
     第7次エネルギー基本計画の太陽光発電を達成するためには、FIT最盛期を上回る勢いで設置をすすめなければならないが、可能なのか?
弊技術は、農地(畦畔)、森林、河川、道路など、これまで使用されていなかったエリアに設置する具体的な手法を考案した。さらにグリーンハウスなど、建物に簡易に、安価に設置することも可能であり、次世代太陽電池(薄・軽・曲)を実装させていくためのキー技術となることを志向する。
P8   集光太陽熱と熱帯性植物を利用した水素製造法の研究
    ※林匠(摂南大学大学院),竹島直輝,白井海智,小田靖久,籔田伸(摂南大学),仲村直子(核融合科学研究所)
     集光太陽熱によりバイオマス資源を熱分解して水素を製造する手法について報告する。熱帯性植物は単位面積当たり収穫量が多く、高い生産性を有する。本研究では集光した太陽熱でサトウキビの搾りかすであるバガスを400℃以上で加熱し、熱分解ガスを発生させた。試験で得られた熱分解ガスは、成分分析により水素を30%以上含むことを確認した。これより太陽熱の利用でCO2を排出しない水素製造法が期待できることが示された。
P9   太陽エネルギーを用いた酸化亜鉛の還元サイクル
    ※秋葉勇人(日本大学大学院),秋元雅翔,木村元昭(日本大学)
     近年,化石燃料への依存が課題となっているため,再生可能エネルギーに着目した.我々は水素エネルギーに着目し,持続的な水素生成を実現するため,酸化亜鉛(ZnO)を亜鉛(Zn)へ還元する研究を行っている.本研究では,還元剤と酸化亜鉛を加熱し,熱源として太陽光を利用することで,最大50%の還元率を達成した.今後の課題として,還元率の向上と亜鉛回収機構を用いた生成亜鉛の回収が挙げられる.
P10   太陽光集熱によるDACおよびPSCでの二酸化炭素回収
    ※河野圭剛(日本大学大学院),秋元雅翔,木村元昭(日本大学)
     本研究では、固体の吸着剤を用いた太陽光集光による二酸化炭素の吸着・脱離サイクルを実現することを目的としている。従来の二酸化炭素回収では、吸着剤から二酸化炭素を脱離させる際に必要な熱エネルギーの供給によって、二酸化炭素が排出してしまう課題があげられている。そこで、再生可能エネルギーである太陽熱エネルギーを利用することで、環境負荷の低い二酸化炭素回収システム設計の実現を目指している。
P11   建物用途構成を考慮した電力需要平準化と太陽光発電導入効果に関する研究
    ※大沢飛智,森太郎(北海道大学)
     本研究では、建物用途の異なる複数建物を対象に、時刻別電力需要と太陽光発電量を算定し、建物用途の組み合わせが電力需要の平準化および太陽光発電の自家消費に与える影響を分析する。さらに、蓄電池の導入可能性も考慮し、地域単位での効率的なエネルギー利用方法について検討する。
P12   燃料電池自動車製作に向けた兵庫県立大学FCV製作同好会の取組み
    ※吉山祐一,田村彗智,光石統哉,黒田怜佑,杉町諒成,森本真優,Kassim Jose Mendoza Peña,是川拓真,毛利笙太郎,田中康誠,福島悠弥,伊藤省吾(兵庫県立大学大学院 )
     学生がものづくり活動を通して脱炭素社会への貢献を学ぶ取組みとして,本学のFCV製作同好会では燃料電池自動車の製作を行なっている.車体製作を同好会中心に行なうほか,機械系・化学系の研究室と連携して燃料電池スタックの設計・製作にも取り組んでいる.これらの活動内容,及びこれまで出場したエコランレースの取組みについて報告する.
P13   外来植物を素材とした集光太陽熱による加熱分解の研究
    ※竹島直輝,林匠,白井海智,小田靖久,石田裕子(摂南大学)
     外来植物が日本の水路やため池の通水障害を起こし問題となっており、ナガエツルノゲイトウなどは駆除後、焼却処分が推奨されており、これには多大な費用を要する。本研究では、集光した太陽熱でナガエツルノゲイトウを高温で加熱し、熱分解させることで処理と同時に水素を含むガスを発生させる試験を行った。ガスは成分分析により水素を含んでいるこが確認でき、植物の部位ごとに水素の割合に違いが見られるのかについて検証した。

セッションB2(13:00~14:40):セル・モジュール

10   太陽電池モジュールの屋外PL撮像性と1セル当たり開放電圧の関係
    ※冨岡圭佑(株式会社アイテス),有松健司(東北電力株式会社)
     材料・構造の異なる太陽電池モジュールを対象に、自然光を利用した屋外PL撮影を行い、撮像性を評価した。単結晶Siモジュール5種類について電気的特性との関係を調査した結果、PL撮像性と1セル当たりの開放電圧(Voc/cell)との間に強い正の相関が確認され、Voc/cellが撮影適用性を事前評価する指標となる可能性が示された。
11   有機薄膜太陽電池の屋外実証実験に向けた測定機器の開発と検証
    ※三澤洸陽,下向陽太(公立諏訪東京理科大学大学院),金子健人,渡邊康之(公立諏訪東京理科大学)
     有機薄膜太陽電池の屋外実証実験に用いる4チャンネル出力特性測定装置の経時安定性を検証する。Si太陽電池を接続して約1分間隔で連続測定するとともに、約3日ごとに既知電圧・電流の測定およびLED照射下でのソースメーターとの比較測定を行う。基準値に対する測定偏差の経時変化と連続運転時の記録状況から、本装置の測定安定性と運用上の信頼性を評価する。
12   窓設置環境下における有機薄膜太陽電池と結晶シリコン太陽電池のモジュール発電特性の比較評価
    ※下向陽太,渡邊康之(公立諏訪東京理科大学),斎藤英純(神奈川県立産業技術総合研究所)
     エネルギー地産地消の推進に伴い,建材一体/設置型太陽電池(BIPV/BAPV)への関心が高まっている。特に窓などの既存建築構造の大幅な改修を伴わず設置可能とされる有機薄膜太陽電池(OPV)が注目されている。しかし実用化には,実設置環境での照度や温度変化に対するモジュール応答の検証が必要である。そこで本研究では,窓面に結晶シリコンとOPVモジュールを設置し,1日の照度・温度変化に対する出力応答の測定・比較評価を行った。
13   波長選択性を持つ太陽電池の評価に向けた多点分光放射計の開発
    ※金子健人,渡邊康之(公立諏訪東京理科大学)
     光を選択的に透過する有機薄膜太陽電池(OPV)は植物栽培との両立や窓発電への応用が期待されている.しかし,市販の分光放射計は高価なため分光放射照度の連続測定が難しく,OPVの波長選択性の連続評価事例が少ない.そこで,色校正用の分光器を用いて安価な分光放射計を作製した.性能評価の結果,可視光域において市販品との誤差率の絶対値は10%以下であった.これは市販品同士での誤差率と同程度である.
14   ペロブスカイト太陽電池モジュールの発電電力の日射変動に対する応答特性
    ※西村 姫佳,桶 真一郎(津山工業高等専門学校),山田 昇(長岡技術科学大学)
     ペロブスカイト太陽電池モジュールの実用化に向けて、屋外環境下における発電特性の把握が重要である。本研究では、屋外環境に設置したペロブスカイト太陽電池モジュールとSi太陽電池モジュールの発電特性を測定し、日射条件の変化に対する応答特性を比較した。

セッションC2(13:00~14:20):太陽熱利用Ⅱ(住宅・建築における太陽熱利用)

19   名古屋市の集合住宅における太陽熱利用給湯システムの運用データに基づくエネルギー性能評価
    ※小坂希愛,吉永美香(名城大学)
     名古屋市に建つ集合住宅の1住戸に導入された太陽熱給湯システムを対象に、エネルギー性能を評価した。分析には1分間隔の1年間の運用データを用いた。その結果、集熱効率は23.6 %、太陽熱依存率は41.3 %、SCOP は1.40、及び年間一次エネルギー消費削減率は32.8 %であった。
20   地域気候および住宅条件がPV/Tソーラーパネル導入住宅の省エネルギー効果に及ぼす影響
    ※西村美穂(東京理科大学大学院),寺島康平,長井達夫(東京理科大学)
     太陽光発電において自家消費型モデルの推進が求められる中、戸建て住宅へのPV/Tソーラーパネル導入による省エネルギー効果について、消費電力量の削減および自家消費量が高まる条件を明らかにすることが重要である。本研究では、地域気候・断熱性能・世帯人数・貯湯槽容量等をパラメータにシミュレーションを行い、各条件がもたらす影響について検討し、季節間の需給のバランスの均衡が重要であることが示された。
21   実運用時の敷設条件を模擬した躯体一体型水蓄熱システムの熱挙動に関する実験的検討
    ※宮田悠平(東京理科大学大学院),寺島康平,長井達夫(東京理科大学)
     躯体一体型水蓄熱システムは、低温の太陽熱を有効に活用できる温水式蓄熱床暖房システムである。既往研究では単一スパンの実測を基づく熱モデルが構築されているが、実際の運用では配管ルートが変化し、複数スパンを連結して送水するため、実運用時の熱挙動を正確に再現できているかは明らかではない。本研究では、実際の敷設状況を模した実験系で実測を行い、本システムの蓄熱・放熱特性を把握することを目的とする。
22   里山環境下にある古民家を改修した木造建築における温熱環境評価(第四報) 給気経路となる床下空間からの熱的影響
    ※下田壮流,西川豊宏(工学院大学),丸谷博男(株式会社エーアンドセントラル),持田正憲(武蔵野美術大学)
     既報では、里山環境下にある古民家を改修した木造建築を対象に、夏期と冬期の実測データから改修後の温熱環境について評価し、冷暖房時における給気経路に沿った温度推移から、外気負荷の軽減に繋がっていることを確認した。本報では、改修時に導入された換気システムの給気経路となる床下空間からの熱的影響を年間実測で得られたデータに基づき評価したので、その結果を報告する。

セッションD2(13:00~14:20):系統連系

29   大容量PVが接続された長距離配電線路の電圧無調整条件に対する線路インピーダンス依存性
    ※平塚轟,津坂亮博,雪田和人,七原俊也(愛知工業大学),松村年郎(名古屋産業科学研究所)
     近年,山間部などの遊休地や耕作放棄地などの広大な土地の活用として,大容量太陽光発電設備の導入が進んでいる。山間部などにおける長距離配電系統では,逆潮流によって系統電圧が容易に変動することが知られている。筆者らは,逆潮流時において,電圧調整が不要となる条件を電圧円線図上に表現できることを明らかにしている。本稿では電圧無調整条件について,線路インピーダンスに対する依存性を解析したため報告する。
30   PV・蓄電池併設型無線通信基地局における蓄電池運用の高度化に関する検討
    ※上田利樹,若尾真治(早稲田大学),中村祐喜(株式会社NTTドコモ)
     近年、通信事業者では耐災害性や環境性の向上のため、PVと蓄電池を併設したグリーン基地局の導入が推進されている。さらに、基地局の運用として「自己託送」や、「デマンドレスポンス」への参入も検討されている。そこで本研究では、耐災害性・環境性・経済性の更なる向上を目指し、翌日のPV出力と負荷消費電力の予測値を利用して、これらの運用を適切に併用する手法を検討する。
31   PV大量導入時における電力系統の発電機運用計画の高速化に関する一考察
    ※中村浩人,若尾真治(早稲田大学)
     近年、太陽光発電(PV)等の再生可能エネルギーが系統に大量導入され、系統混雑等の影響を受け、電力系統の最適運用計画の計算負荷増大が課題となっている。そこで本発表では、過去データに基づく最適運用計画結果をクラスタリングし、それらの発電機運用情報を活用した変数削減手法を提案する。提案手法によりPV大量導入時における計算の高速化を図り、EAST10機系統モデルに基づく例題を用い、系統運用計画策定の効率化に対する効果を評価する。
32   太陽光発電大量導入系統に対する縮約モデル解析の精度向上に関する検討
    ※加納佑輝,喜久里浩之,若尾真治(早稲田大学)
     太陽光発電の大量導入に伴う急激な電圧変化の対策として無効電力で電圧を安定化するVolt-Var制御が注目されている。制御のための系統解析の計算負荷削減のため、縮約モデルを用いると、実系統の詳細モデルとの電圧差が生じる。本論文では両モデルの電圧差を低減することを目指し、Volt-Var曲線のパラメータを最適化し、縮約モデルで電圧挙動解析の精度を保ちつつ、計算負荷の低減を図る手法を検討する。

11月13日(金)

セッションA2(9:20~10:40):住宅のエネルギー評価Ⅱ

33   パッシブハウス認定住宅の性能評価 - 埼玉県小鹿野町の戸建住宅における室内温湿度とエネルギー収支の実測調査 -
    ※三田村輝章(前橋工科大学),髙橋慎吾(髙橋建築)
     本研究では,パッシブハウス認定住宅の室内環境やエネルギー収支の評価を目的として,居住住宅における実測調査を実施した。本報では,パッシブハウス認定住宅の事例として,埼玉県小鹿野町に建設された2階建ての戸建住宅における年間の室内温湿度とエネルギー収支の実測結果について報告する。
34   パッシブハウス認定住宅の性能評価 - 埼玉県上里町の戸建住宅における室内温湿度とエネルギー収支の実測調査 -
    ※土屋美空,三田村輝章(前橋工科大学),髙橋慎吾(髙橋建築)
     本研究では、パッシブハウス認定住宅の室内環境やエネルギー収支の評価を目的として、居住住宅における実測調査を実施した。本報では、パッシブハウス認定住宅の事例として、埼玉県上里町に建設された平屋の戸建住宅における年間の室内温湿度とエネルギー収支の実測結果について報告する。
35   低温再生型デシカント空調機とPV/Tソーラーパネルを用いた潜顕分離空調システムの気候別検討
    ※佐野晴也,寺島康平,長井達夫(東京理科大学)
     本研究では、低温再生型デシカント空調機とPV/Tソーラーパネルを組み合わせた潜顕分離空調システムを対象とし、気候条件の違いがシステム性能に与える影響を検討する。各地域の気象条件を用いてシミュレーションを行い、除湿性能、PV/Tの集熱量、補助熱源の必要量、消費電力量などを比較する。さらに、気候特性とシステム性能の関係を分析し、地域に応じたシステムの適用可能性と運用条件を明らかにすることを目的とする。
36   壁冷房を可能にする放射・微気流併給パネルの開発
    ※高橋達(東海大学)
     細孔を多数うがったパネルにより微気流と例放射の双方を室内に提供し、微気流が高湿度の対向気流の接触を回避できれば、結露回避型のチャンバー冷房が可能になり、また、床冷房のような不快な上下温度差も避けられる。放射・微気流併給パネルはエアコンだけでなく空調機やファンコイルユニットにも接続可能である。本研究では放射・微気流を併給する冷房パネルの実現可能性を冷房実験とCFDにより検討した結果について述べる。

セッションA3(10:50~12:10):快適性評価

37   東面窓の日射遮へいが想像温度と放射環境に及ぼす影響の実証評価
    ※斉藤雅也(札幌市立大学),相川修一(株式会社ケアコム)
     アルミ遮熱ボードを東側窓に設置し、全開・半開・全閉の条件で夏季の室内気候と体感温度を分析した。半開・全閉では放射熱が抑えられ、暑さの感じ方や不快感が軽減した。体感として申告された「想像温度」は室温やグローブ温度の変化をよく反映し、在室者が実際にどの程度暑さを感じていたかを示す指標として有効だった。簡便な遮熱手法として既存建物への適用可能性を示した。
38   住宅における微小な床表面温度差が熱的快適性に及ぼす影響:空気式床下空調と対流式空調の実測比較評価
    ※佐藤理人,,秋山玲也(高知工科大学大学院),佐藤友紀(岡山理科大学),福田奏子(DAIKEN株式会社)
     本研究では、日本の実験住宅で空気式床下空調(UFAC)と対流式空調(CAC)を夏季・冬季に比較実測した。UFACは冬季に床表面温度を室温より高く維持し、中立温度を約0.7℃低下させ、足裏感覚と快適性を改善した。夏季では床温は室温よりやや低いが、UFACとCACは同程度の中立温度であったが、ドラフト感が抑制されるため、好な快適性評価が得られた。
39   断熱等級7の戸建住宅における室内温熱環境・エネルギー消費および居住者の住まい方の実態 - 住み替え前住宅との夏期温湿度比較を含む -
    ※藤原康晃, 千葉陽輔,原武志,山下雅宏,白石真二(旭化成ホームズ株式会社),室恵子(足利大学),須永修通(東京都立大学)
     断熱等級7の実居住住宅を対象に、約1年間の温湿度データおよび9か月間の用途別消費電力量、太陽光発電量を分析する。さらに、住み替え前住宅との夏期温湿度比較を行うとともに、着衣・寝具・空調利用等に関する居住者調査を実施し、高断熱住宅における室内温熱環境、エネルギー消費および居住者の住まい方の実態について検討する。
40   断熱等級の違いによる住宅熱環境の多層エントロピー収支特性に関する研究
    ※深田悠平(島根大学)
     本研究は断熱性能の違いが多層エントロピー収支構造に与える影響について数値解析を行った結果、以下のことを明らかにした。エアコン室外機が外構に廃棄するエントロピーは断熱等級6相当で1.86W/Kであり、断熱等級5相当の2.13W/Kより0.27W/K小さい。他方で、エントロピー生成速さは断熱等級6相当が0.183W/Kで断熱等級5相当の0.147W/Kより0.036W/K大きい。即ち、断熱等級6の住宅はエントロピー低廃棄で大きなエントロピーを生成している。

セッションA4(13:00~14:20):省エネルギー技術

41   屋外暑熱環境緩和のための街路樹の日射遮蔽効率の提案
    ※中大窪千晶(佐賀大学)
     本報では、屋外暑熱環境の緩和に寄与する街路樹の日射遮蔽効果に着目し、その有効性を定量的に把握する指標として「日射遮蔽効率」を提案する。さらに、大気への顕熱負荷および平均放射温度との関係を分析し、熱環境緩和を評価する指標としての有用性を検討する。
42   太陽光パネルのグレア予測に向けた輝度分布再現 - 3Dプリンター製Tregenzaドームを用いたBRDF実測
    ※岡本俊英,大木知佳子(株式会社大林組),濵悠翔,Kim DONG HYUN,吉澤望(東京理科大学)
     脱炭素化に向けた太陽光発電の普及には、太陽光パネルの反射光によるグレアを設計段階で予測する技術が求められる。予測にはBRDF(双方向反射率分布関数)の把握が不可欠である。本研究では、3Dプリンターで製作したTregenzaドームを活用して複数の太陽光パネルのBRDFを実測した。測定結果に基づいてシミュレーションから求めた反射パネルの輝度分布を実測値と比較することで、その再現性を検証した。
43   光透過型真空断熱材の芯材の最適仕様に関する実験的検討
    ※松井孝遥,坂井遥香,葛隆生(北海道大学),関根賢太郎,張本和芳(大成建設株式会社)
     既存建築物の窓の断熱改修を目的として、窓に後付け可能な透明真空断熱材の開発を目指している。既報では、TVIPの性能向上を目的に、芯材からのガス放出や芯材の材質について検討した。一方、実用化に向けては、断熱性能と光透過性を両立する芯材形状の最適化が必要である。そこで本研究では、芯材形状の異なるTVIPを作製し、断熱性能の評価および分光放射計を用いた光透過率測定を行った。
44   光透過型真空断熱材の長期的な断熱性能を実現する要求性能の検討
    ※坂井遥香,葛隆生,松井孝遥(北海道大学),関根賢太郎,張本和芳(大成建設株式会社)
     既存建物のZEB化に向け、窓に後付け可能な光透過型真空断熱材(TVIP)の開発を行う。TVIPは透光性と断熱性を両立し、既存窓への省エネ改修を容易にする。本研究ではTVIPの加速試験を行い、長期的な断熱性能の測定を行った。その結果、長寿命化には外袋を二重型にすることが有効であることが示された。また、二重型TVIPの外側の圧力を維持するために必要な吸着剤量を透過試験の結果をもとに推定した。

セッションA5(14:30~15:50):未利用エネルギー

45   上水道設備を地域で最適利用することで得られる未利用エネルギー
    ※平田陽一(公立諏訪東京理科大学),寺島康平(東京理科大学)
     茅野市における上水道にある水として含んでいるエネルギーには、位置エネルギー(深井戸ポンプに電力を供給、発電機を入れると取り出せる電力)、と熱エネルギー(空調などの熱源利用)などがある。地域としての上水道は飲料水と火災に対応する為の消火水栓への利用が主目的であるが、それに影響しないように、上記の未利用エネルギーを取り出して、オンサイト利用できれば、副次的なローカルエネルギーシステムとすることができる。
46   再生可能エネルギー熱の面的利用システムの導入ポテンシャル評価手法の開発
    ※加藤遼大,葛隆生(北海道大学),中村靖(日鉄エンジニアリング株式会社),長野克則(苫小牧工業高等専門学校)
     本論文では、札幌と東京の実際の街区を対象としてHR-3Pシステムの導入可能性を評価した。まず、宿泊施設および隣接する事務所施設の熱負荷、地中熱交換器の採放熱量を算出した。次に、導入可能性を評価するための3つの指標を定義し、算出した。その結果、札幌は東京よりも本システムの導入に適していることが明らかになった。さらに、冬季に冷房の利用がある施設を選定することで、導入可能性が大幅に高まることが判明した。
47   大学講義棟における地中熱利用空調システムの冬季エネルギー・エクセルギー評価
    ※伊澤康一(福山大学),宋城基(広島工業大学)
     大学講義棟の地中熱利用空調システムを対象にして冬季実測に基づきエネルギー評価・エクセルギー評価を試みた。地下ピットによる削減率は,エネルギー評価では,空調機負荷に対して8.4 %,外気負荷に対して78.9 %であり,エクセルギー評価では,空調機負荷に対して2.4 %,外気負荷に対して76.6 %であった。空調機負荷を対象とすると地下ピットの寄与は小さいが,外気負荷を対象とすると地下ピットの寄与は大きい。
48   PV余剰電力を活用した予冷制御による省CO2効果の検討
    ※中島湘斗,長井達夫(東京理科大学),久保井大輔,掛川敏正,中山裕介(東京電力ホールディングス株式会社)
     太陽光発電の普及に伴う休日の余剰電力を活用するため、ZEB仕様オフィスを対象に建物の熱容量を活用した予冷制御の省CO2効果を検証した。空調負荷のピークカットを目的とした早朝予冷では、動的CO2排出係数が高い時間帯の電力使用によりCO2排出量が増加する課題があった。これに対し、休日のPV余剰電力発生時に集中予冷を行い平日の空調負荷をシフトすることで、CO2排出量を削減できる可能性を示した。

セッションB3(9:20~10:20):政策・社会制度

49   産業用自家消費型太陽光発電が電力市場に与える影響 - 九州エリアにおける再エネ賦課金・卸電力価格・出力抑制への波及 -
    ※福家信洋(神戸大学大学院),大橋和彦(一橋大学)
     工場等に設置される産業用自家消費型太陽光は、発電電力を需要家の構内で消費するため、昼間の系統需要を減少させる。その結果、設置需要家の再エネ賦課金負担が他の需要家へ転嫁される一方、卸電力価格の低下や、売電型太陽光の出力抑制の増加をもたらし得る。本研究では九州を対象に、気象庁観測データとPVsystを用いて導入シナリオを設定し、賦課金負担の転嫁、卸価格低下による便益、出力抑制量への影響を推計する。
50   再生可能エネルギー100%に向けた指標化と地域主導型脱炭素化の評価
    ※松原弘直(NPO法人環境エネルギー政策研究所)
     再生可能エネルギー100%による持続可能な社会の実現に向け、エネルギー永続地帯の指標化と国内で100近くになった脱炭素先行地域の評価を行った。地域的エネルギー自給率100%超の自治体の評価では、全国的な分布と過去の推移を分析する。脱炭素先行地域の傾向と具体的な事例を分析し、地域のオーナーシップや地域内循環などの原則に基づくガバナンスによる地域主導型脱炭素化の評価を提示する。
51   市町村の光熱費高騰対策、地域課題解決に資する脱炭素対策・計画
    ※歌川学(産業技術総合研究所)
     気候変動対策の加速・向上、地域の光熱費高騰・光熱費域外支払削減対策が地域の課題である。また、地域によっては乱開発再エネへの反発反感で対策が進んでいない。気候変動対策と光熱費・地域課題解決に有効な省エネ・再エネ対策の選択が可能で、地域に光熱費削減・地域課題解決効果などを積極的に示す地域計画・対策設計を報告する。

セッションB4(10:30~11:50):エネルギーシステム評価

52   100%再生可能エネルギーシステムにおける複数年の気象を考慮した最適複合投資
    ※渡辺健太,山本博巳(東北大学)
     VRE(太陽光・風力発電),バッテリ,水素貯蔵システムからなる100%再生可能エネルギーシステムにおける電力供給不足を解消するため,発電・貯蔵設備へ予算を適切に配分する複合投資戦略を提案する。さらに、年ごとの気象の不確実性を考慮し,複数年にわたる時系列シミュレーションを用いて本手法の有効性を検証することで,安定供給と経済性を両立する最適なシステム設計指針を提示する。
53   PV大量導入時における火力残存量の年間需給成立境界に関する分析
    ※上打田内啓允(東京電力ホールディングス株式会社)
     2040年度を対象とした9エリア年間電力需給モデルにより,PV導入量と火力残存量の組合せに対する需給成立境界を評価する.評価にあたっては,供給力に加え,調整力,同期量・慣性,地域間連系線等を考慮し,PVの追加導入による必要火力容量の低減効果と,その逓減要因を明らかにする.
54   再エネ電源導入時における需要水準の不確実性が火力残存量の年間需給成立性に与える影響に関する一考察
    ※榎戸樹,上打田内啓允(東京電力ホールディングス株式会社)
     2050年カーボンニュートラルの実現にはPV導入拡大が必要だが、出力変動への対応のため火力設備の削減には限界がある。本研究では、調整力、同期量・慣性、連系線容量、蓄電設備の出力・エネルギー量を考慮した9エリア・年間8760時間の需給シミュレーションにより、需要の上振れ・下振れに応じた必要火力残存量、PV出力抑制量、連系線利用状況を比較し、需給成立の支配要因と供給力確保の必要性を明らかにする。
55   太陽光発電と消化ガス発電を連系した路面電車給電システムの経済性評価
    ※種畑直斗,下町健太朗,三島裕樹(函館工業高等専門学校)
     公共施設に太陽光発電(PV)設備を導入し,路面電車の直流電力線に給電するシステムが提案されている。本研究では,このシステムに下水終末処理場の消化ガス発電という脱炭素電源を新たに組み込み,PVと消化ガス発電を連系する際に必要な連系変換器の最適配置を決め,消化ガス発電の導入が経済性に与える影響を評価した。その結果,従来システムと比較して正味の総便益が高いことが示唆された。

セッションB5(13:00~14:00):気象・地球環境

56   大気CO2の海洋吸収率の低下を加速する地球温暖化により多発化する大地震のメカニズム
    ※鈴木高広,鈴木聖生(MITS研究所),鈴木陽生(琉球大学)
     多発化する大地震の誘発メカニズムに関し、海水位の上昇により浮動性を増した日本列島が、積雪荷重ストレスにより列島南北でシーソー運動する振幅が拡大し、地下の水脈加圧が増し、マグマとの隔壁岩盤がさく裂し、水脈が流れ込むことで発生するマグマ爆発が誘発することを報告した。また、東京都の都市荷重が地下の加圧水脈の流れを変えていることを示すデータを報告した。激甚災害をもたらした熊本地震も、このメカニズムによって発生したことを報告する。
57   LCAとエコロジカルフットを統合した評価ツールの開発
    ※阪田知也(福井大学)
     エコロジカルフットプリントは主に国や地域を単位とする指標として用いられてきた.本研究では,国内LCAデータベースAIST-IDEA,LCA評価手法LIME2を用いて,製品・サービス単位のLCAとエコロジカルフットプリントを同一のデータから算定する評価ツールを開発した.さらに,そのEFを1人1日あたりのバイオキャパシティと比較して示すことで,製品1個のような小さな単位の環境への影響を把握できるようにした.
58   簡易気象モニタにおける気温測定誤差の補正
    ※押元真和,滝川浩史,小松哲敏(豊橋技術科学大学),平塚元久,白坂敬之助,真木志郎(株式会社エイム)
     我々は,太陽光発電施設における発電量の直近予測を目的としたシステムの開発を進めている。同システムは,地上に設置したIoT簡易気象観測モニタクラスタからの気象変数(水平面日射量,気温,湿度)データを用いている。気象変数データの太陽光発電予測以外,例えば熱中症対策の指標となる湿球黒球温度WBGTへの利用に目を向けた際に,同モニタによる気温の測定誤差が問題となったため,その補正手法を検討した。

セッションB6(14:10~15:10):バイオマス

59   大気CO2から甘藷を大量生産し、メタンと水素に変換するバイオメタネーションコストの削減
    ※鈴木高広(MITS研究所),鈴木陽生(琉球大学),廣島大祐(ウォーターエージェンシー)
     脱炭素・水素社会の実現のため、大気CO2を回収し、メタンに変換するメタネーション技術の普及が期待されている。メタンは水素供給にも活用でき、輸入化石燃料を全廃する国産バイオメタン・水素の大量生産のためには、低コストが最大の課題である。甘藷の量産方法とメタン発酵法の低コスト化の最新研究成果を報告する。
60   営農型太陽光発電用シミュレーションにおける乾物生産型作物成長モデルプラグインの畑作物への拡張
    ※伊髙健治(弘前大学)
     前報では水稲を対象に、日射光線の情報とアメダスなどの観測データを作物成長モデルに与えるプラグインを開発した。本報では、同じ乾物生産の枠組みを持つ既報の作物学論文の成長モデルをもとに、大豆、小麦、ばれいしょのプラグインを追加した。受光日射量と日射利用効率から乾物重を計算し、発育指数と収穫指数により収量を求めることで、パネル直下とパネル間の収量比を作目ごとに比較できるようにした。コーディングには生成系AIを用い、プラグイン開発の迅速化をおこなったので、これについて報告する。
61   ロウソク火炎中の化学反応により引き起こされる発光と形状とススの挙動
    ※塙藤徳(森林総合研究所)
     バイオマスの効率的な燃焼方法を探る目的で発表者はロウソクを使い、ほぼ全てが青い火炎、一時的な球形青炎、長期安定した半球形青炎、該青炎頂部の輝炎の拡大と縮小現象、激しいススの発生現象等を報告した。さらに該半球系青炎中に二原子炭素を発見し、炭化水素の燃焼反応、C2 、PAH 及びススの生成・燃焼反応を提案して来た。今回は、これらの反応を基にロウソク火炎の発光、形状とススの挙動を熱化学的に説明する。

セッションC3(9:20~10:40):太陽熱利用Ⅲ(集光熱のプロセス利用)

62   太陽エネルギーを利用したセメントの合成
    ※村井秀斗,小嶋芳行,原嶋航生(日本大学)
     本研究はフレネルレンズを用いて太陽光を集光し,そのエネルギーを用いてセメントの合成を行うための最適条件について検討をするものである.普通ポルトランドセメントの組成に調合した試料を粉砕あるいは成形を行った.その結果,試料を粉砕し,圧粉体を形成することにより数分の太陽光照射によりセメントと同程のものをえることができた
63   太陽エネルギーを利用した無機化合物の分解
    ※小嶋芳行,原嶋航生,村井秀斗(日本大学)
     本研究はフレネルレンズを用いて太陽光を集光し,そのエネルギーを用いて無機化合物の脱水,脱炭酸を行うものである.対象としては二水セッコウ,水酸化マグネシウム,うに殻(廃棄物)および石灰石である.二水セッコウを入れた炭素ルツボに太陽光を照射することにより脱水させることができ,水酸化マグネシウムも同様であった.石灰石は直接太陽光を照射して5%程度脱炭酸できた
64   マイクロ粒子層構造の鉛直沸騰性能への影響
    ※小林将己,亀谷雄樹,Lorenzo FRANCESCHETTI,Massoud KAVIANY(千葉工業大学)
     再生可能な太陽熱を用いて水蒸気を供給する技術への要求が高まっている。本研究では、集光系との統合に適する鉛直沸騰面を対象とし、その沸騰性能の向上を試みた。マイクロ粒子層を沸騰面上に形成し、その構造に依存する沸騰特性を実験により明らかにした。沸騰面における気液の輸送について粒子層の役割を考察し、構造の違いが沸騰挙動に影響を与えるメカニズムについて議論する。
65   大気水凝集回収装置の各構成機器における温湿度推定モデル式の改良と評価
    ※成田璃那,馬越康平,松尾廣伸(静岡大学大学院)
     高効率な大気水凝集回収装置の開発に向け、集熱器、シリカゲル槽、顕熱交換器、ペルチェ凝集部からなる装置を構築した。本報では、各構成機器の出口温湿度を推定するモデル式を改良し、推定値と実測値の比較により推定精度を評価した。出口温度推定結果は実測値と比較して、絶対誤差が5 K以下、標準偏差が0.94 K、出口絶対湿度推定結果は実測値の±10 %となり、モデル式を用いた推定手法は良好な推定結果を示した。

セッションC4(10:50~12:10):太陽熱利用Ⅳ(熱利用システムの制御と冷房応用)

66   Effective methods for water temperature control
    ※平野祐晟(株式会社Seaside/九州大学大学院)
     社会実装を開始した陸上養殖水槽を対象に、水中対流熱伝達を活用した水温制御の効果と要因を明らかにする。四季を有する日本で陸上養殖を成立させるには、熱エネルギーコストの抑制が鍵となる。三次元的な伝熱構造、曝気泡による伝熱促進、ならびに「釜ゆで効果」を用いた無動力化の可能性を報告する。
67   PV/Tソーラーパネルとエジェクタ冷凍サイクルを組み合わせた太陽熱利用冷房システムの熱供給特性に関する研究
    ※平井悠生(東京理科大学大学院),寺島康平,長井達夫(東京理科大学),國吉直,小嶋満夫(東京海洋大学)
     太陽電池で発電時に放出される熱を回収するPV/Tパネルと、その温熱を駆動熱源として冷熱を生成するエジェクタ冷凍サイクルを組み合わせ、発電時の廃熱を冷房に活用するシステムの開発を行っている。現在、実測機器を構築し、熱交換量及び運転特性の評価を進めている。また、システム構成をモデル化し、PV/Tパネルから供給される熱量や温度の変動を考慮した適切な熱供給条件をシミュレーションにより検討しており、その成果を報告する。
68   COPの温度依存性を考慮した季節間氷蓄熱システムを伴うソーラークーリングの最適運用
    ※栗原俊介(東京農工大学大学院),秋澤淳(東京農工大学)
     本研究は、温暖地域の病院を対象に季節間氷蓄熱を組み込んだ太陽熱駆動型冷暖房システムの実現可能性を評価した。アンモニア吸収冷凍機のCOPの熱源温度依存性を考慮したコスト最小化最適化モデルを構築し、通年の設備運用を導いた。その結果2,000m2の集熱器設置で一次エネルギー消費量を従来比60%削減できることを示した。
69   吸着冷凍機を含む太陽熱空調システムのTRNSYSによる運用解析
    ※佐藤勝太,秋澤淳(東京農工大学),Rita MERCURI,Antonio ROSATO(University of Campania Luigi Vanvitelli)
     本研究は、熱需要の大きい老健施設を対象に、TRNSYSを用いた太陽熱利用空調・給湯システムの運用の解析を目的とした。先行研究に対し、各コンポーネントの設定見直しや熱交換器による補給水予熱機構と給湯タンクのサーモスタット制御を導入した。吸着冷凍機や吸収式冷温水器を含む空調を統合したシステムの年間シミュレーションを実施し、太陽熱利用による一次エネルギー削減効果を定量的に評価する。

セッションC5(13:00~14:00):蓄エネルギー・その他

70   日本向け重力蓄電装置における詳細設計と機械系損失変動を考慮した往復効率の推定
    ※松岡佑典,松尾廣伸(静岡大学大学院)
     著者らは、自然放電が無く低コストな重力蓄電装置について検討してきている。本報では、日本国内向けに1 kW30分間の調整力供出を想定した装置の詳細設計を行い、MATLAB/Simulinkを用いて機械部モデルを構築した。充放電1サイクル運転時のシミュレーションを実施し、機械系の入出力動力から機械効率を算出、同設計における部品構造と加減速時間が効率に及ぼす影響を考慮した往復効率の試算結果を示す。
71   石炭火力発電量調整と電気加熱による余剰電力吸収とを併用した岩石蓄熱システムの性能評価
    ※牧田佳士,松尾廣伸(静岡大学大学院)
     太陽光発電増加に伴う昼間の余剰電力活用のため,石炭火力へ熱エネルギー貯蔵(TES)を導入し,ボイラからの熱を吸放出することで,ボイラ負荷率一定で発電量を調整する.さらに電気加熱による余剰電力吸収を併用し,一層の調整力向上を目指す.TESの中でも経済性と高い蓄熱密度が期待される岩石蓄熱を使用し,電力需給を反映した運用条件に対してシミュレーションを行う.電気加熱の有無について調整力及び効率の観点から比較する.
72   日本太陽エネルギー学会の利活用による共同研究の実施
    ※宮本裕介(株式会社関電工)
     株式会社関電工は電力運用技術検討のため、リチウムイオン電池を導入したが、これまで電力運用技術の観点のみの分析等を実施しており、劣化診断など蓄電池単体に関する分析・評価を実施してこなかった。そこで、今回日本太陽エネルギー学会を介して、蓄電池劣化診断技術を有する研究機関を募集し、共同研究を実施することになったので、これまでの経緯について紹介する。

セッションC6(14:10~15:30):車載/壁面システム

73   愛知工業大学におけるソーラーカー活動の再始動 - 既存車両を用いた白浜エコカーチャレンジへの挑戦 -
    ※護得久真聖,服部広歩,津坂亮博(愛知工業大学)
     愛知工業大学では,2021年を最後にソーラーカー活動を休止し,その後は車両のみが保管されていた。2025年,未経験者のみで構成された新たな体制のもと,この車両を競技へ復帰させるプロジェクトを開始した。本稿では,既存車両の再稼働から白浜エコカーチャレンジへの参戦までの過程を報告する。活動再開に際して生じた課題と対応を整理し,ソーラーカーレースへの挑戦を通じて得られた知見を示す。
74   ソーラー充電ルーフによるNEVの非プラグイン充電に関する検討
    ※藤澤徹(神奈川工科大学)
     ソーラー充電オプションはメーカーオプションとなっており、わが国で市販されている新エネルギー車(NEV)の例として、プリウスPHEV、bZ4X、ソルテラなどに設定がある。本研究では、屋外駐車場にて9時~17時にソーラー充電(非プラグイン充電)を行った際のデータをもとに考察し、理想的な環境とそうでない環境、相反する要求やシステム上の制約等の課題点について検討し、自動車のエネルギー自給とオフグリッド化(エネルギー的自立)に関する可能性について議論する。
75   ソーラーカーの実用化が始まった (第2報) プリウスPHVとペロブスカイトでソーラー走行率30%
    ※藤井修(再生可能エネルギー研究所TRB)
     2016年、プリウスPHVソーラータイプの試算ソーラー走行率は15%、今回ペロブスカイト太陽電池に変更すると30%になった。家庭乗用車で車庫にソーラーを設置するとソーラー走行率は150%になり、燃料費無料です。
76   実装した壁面PVの発電検証
    ※梅田和彦,宮嶋禎朗(大成建設株式会社)
     実在建物に適用した壁面PVの発電検証結果を報告する。壁面PVはカーテンウォールの壁と窓の2種類で、結晶シリコン太陽電池モジュールである。壁用PVはファサードの意匠性に調和させ、窓用PVは意匠性の他に眺望、遮熱、断熱という窓に必要な機能も併せ持つ。

セッションD3(9:20~10:20):太陽電池モジュール評価

77   日射光を利用した二波長PLイメージングによるペロブスカイト太陽電池の故障検査
    ※高野和美(株式会社アイテス),有松健司(東北電力株式会社)
     開閉器の操作による2つの状況下を用いた日射光を利用したPL検査について研究開発を進めてきたが,この従来法をペロブスカイト太陽電池の故障検査に適用しようとすると,土地設置型の太陽電池発電設備と比較して配線へのアクセスや回路の開放・短絡操作が困難になることが想定される.そこで本研究では,日射光を利用したPL検査において,開閉器の操作を伴わずに背景光の影響を低減する二波長差分法を提案する.
78   色空間画像解析による太陽光パネル汚れ度合いの定量的評価
    ※馬渡瞭,髙本達也,西岡賢祐(宮崎大学)
     太陽光パネルの汚れは発電性能を低下させる一方,清掃にはコストを要するため,性能低下を簡便かつ定量的に把握することが重要である。本研究では,スマートフォンカメラ及び一眼レフカメラで撮影した画像からCIE 1976 Lab*(CIELAB)色空間の特徴量を算出し,清浄時に対する汚損時の電流値の残存率との関係を解析した。さらに、得られた色特徴量を基に残存率を推定する手法を検討した。
79   発電量をベースにした太陽光パネル防汚コーティング剤の効果検証
    ※小沼大河(東京ガス株式会社)
     太陽光パネルの防汚対策としてコーティング剤が注目されているが、実環境における防汚効果やその持続性は十分に明らかになっていない。そこで本研究では、パネル傾斜角の異なる実発電所において2種類のコーティング剤を塗布し、発電量を測定するとともに、ラボ環境における耐候性評価を実施した。これらの試験結果に基づき、コーティング剤の防汚効果およびその持続性について報告する。

セッションD4(10:30~12:10):出力推定

80   一軸追尾架台における両面受光型PVの発電量増加効果と積雪による影響
    ※大桑遼太,重信颯人,髙橋明子,伊藤雅一(福井大学)
     降雪の多い地域でも太陽電池の積雪を抑制できる一軸追尾型架台が注目されている。また、両面PVの普及が進みつつあるが、雪の高いアルベドにより両面PVの発電量向上効果も期待できる。本研究では、福井大学に設置した南北軸一軸追尾型架台で日射量と発電量を実測した結果、両面利得(両面/片面)はいずれも積雪時に29~54%増加し、積雪かつ曇天時が最大となった。日射量と発電量では、日射量の方が両面利得が高かった。
81   両面受光太陽電池モジュールのための様々な太陽追尾法のフィールド試験に基づく検討
    ※丸尾天真,桶真一郎(津山工業高等専門学校),山田昇(長岡技術科学大学)
     両面受光太陽電池のための様々な太陽追尾方式を対象としたフィールド試験を実施し、その発電特性を比較検討した。各追尾方式における発電データを解析し、時間や季節による太陽高度の変化および雲による日射変動が与える影響を特定した。また、追尾による入射日射の影響と太陽高度の関係性などを評価することで、現場の気象環境や季節変動に対して最も安定して高い発電能力を発揮する最適な追尾方式の選定が可能となる。
82   経済性を考慮した使用済み太陽電池パネルの排出時期・排出量推計と地域特性
    ※西岡昌哉,野口孝俊(一般財団法人みなと総合研究財団)
     全国のFIT認定太陽光発電設備(事業用)を対象に、設備の経済性を考慮した収支モデルを構築し、使用済み太陽電池パネルの将来排出量と排出時期を推計した。さらに、運転開始年、認定年度、発電出力等が排出特性に及ぼす影響を分析し、地域別の排出量や排出時期の特徴を明らかにした。
83   複数の太陽光発電所における出力抑制量の推計(その2) - 九州電力エリアにおける無制限・無補償ルールと30日ルールの比較 -
    ※藤本卓也,原田真宏(大和ハウス工業株式会社)
     前報では、全国の太陽光発電所を対象に、現地気象データと発電実績から出力抑制量を推計し、電力エリアや立地条件による抑制率の差異を明らかにした。本報では、出力抑制が最も多い九州電力エリアを対象に、無制限・無補償ルール適用発電所と30日ルール適用発電所の逸失発電量を比較分析した。その結果、抑制ルールの違いが逸失発電量に与える影響を定量的に示し、事業収益の予見性向上に資する知見を得た。
84   日射量予測誤差を考慮した地域マイクログリッドにおける蓄電池の平常時最適運用手法の開発
    ※吉岡大地,川﨑憲広(東京都立産業技術高等専門学校),宮本裕介,満山照樹,吉田圭志(株式会社関電工)
     近年,大規模停電対策として地域マイクログリッドが注目されている。自立運転に必要な予備力を確保するため蓄電池の大容量化が求められる一方,平常時における有効活用が課題となる。本研究では,日射量予測誤差を考慮した蓄電池の平常時最適運用手法を提案する。本稿では,二次計画法により予備力確保と平常時運用を両立する充放電計画を導出し,ピーク電力および出力抑制量の削減効果を示す。

セッションD5(13:00~14:40):システム評価

85   傾斜地設置型太陽光発電の発電量解析 - パネル角度と周辺樹木の影の影響 -
    ※松永皐詩,西岡賢祐(宮崎大学)
     傾斜地設置型太陽光発電において、パネル角度は平坦地を前提に設計されるため、傾斜地に設置する場合の設計指針が確立されていないこと、および周辺樹木の遮蔽の影響を受けることにより発電量が低下することが挙げられる。本研究ではこの二つの要因を計算により定量化し、実測発電量との比較によって妥当性を検証した。その上で、パネル角度の是正とストリング構成の変更により、設備を増強せずに発電量を回復できることを示す。
86   四隅魚眼画像の視点合成によるモジュール面内の日射・発電量分布評価
    ※山下大和,荒木建次,西岡賢祐(宮崎大学)
     太陽光発電の設置場所評価では、従来、一点で撮影した全天魚眼画像から求めた天空率をパネル全面に一様に適用してきた。しかし遮蔽物が近接すると各部で遮蔽の見え方が異なり、この前提が崩れる。本研究ではモジュール四隅の魚眼画像から任意点の天空画像を合成し、面内441点の日射量・発電量を算出した。同一モジュール内で約120〜170 kWh/m²の分布が生じ、単一視点では捉えられない不均一性を示した。
87   設置環境の影を考慮した発電量の定量推定システム( 360°カメラを用いた太陽電池パネル設置環境の評価)
    ※安武和成,泉尚志,鶴田靖孝(株式会社クラフティア)
     太陽光発電の運用効率化に向け、360°カメラとGPSを活用した受光環境の定量評価システムを開発した。全天画像から空領域を自動抽出し、NEDOデータベースの直達・拡散光成分と連携させることで、日影の影響を反映した年間発電量を推定する。さらに簡易GIS上で受光エネルギーを面的に可視化し、樹木伐採のシミュレーション等も可能にすることで、メガソーラー維持管理調査の大幅な省力化に貢献する。
88   土地利用細分メッシュを用いた小規模野立て太陽光発電の導入に関する一検討
    ※加藤丈佳(名古屋大学)
     景観や自然災害に十分に配慮した小規模な野建て設備は,太陽光発電の更なる導入拡大のための有効な手段と考えられる.本研究では,土地利用および住宅等の建物分布に関するメッシュ統計データに基づき,小規模な野建て設備の導入可能性について基礎検討を行う.
89   地域特性に応じた学校避難所向けマイクログリッドの経済性とレジリエンスを両立する設備容量設計
    ※香村崇斗,松尾廣伸(静岡大学大学院)
     自然災害の頻発に対し、その地域の気候や負荷特性に応じた適切な備えが求められている。そこで、避難所機能を備えた学校(延床面積(学校全体): 5600m²、延床面積(避難所:体育館): 1000m2、避難所収容人数 : 約300人)を対象に、様々な地域の日射量と平常時・非常時負荷を用いて電力授受シミュレーションを行い20年間の経済性と停電後72時間のレジリエンスを評価し、地域特性に応じたPV・蓄電池の適正容量を明らかにする。

セッションE1(9:20~10:40):脱炭素ソーラーフューエルⅠ

90   関東地域を対象にした、道路交通の電動化に伴う電力需給ギャップの把握と対応策に関する研究
    ※多田神,竹本由美,野平勝,田中満(一般財団法人国土技術研究センター)
     道路上を走行する自動車の電動化も脱炭素化に寄与するとされている。一方で、完全な電動化には膨大な電力が必要となり、太陽光等の再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)の供給ポテンシャルと給電需要の間に時間的・空間的ギャップが生じるため、再エネを有効活用する仕組みの構築が必要である。本研究では、関東地域を対象にした電力需給ギャップの試算結果を報告し、道路部門における対応策について提案する。
91   共同溝を有する大学施設における再生可能エネルギー熱面的利用システムの導入効果予測に関する研究
    ※海野豊,葛隆生(北海道大学),長野克則(苫小牧工業高等専門学校)
     北海道大学工学部キャンパスを対象に、地中熱ヒートポンプを用いた面的利用システムの導入効果を評価した。建物間を2管式低温ループで接続し、ガスエンジンCGSによってヒートポンプへの電力供給と排熱回収を行う。2つのシナリオを検討した結果、既存の蒸気暖房と比べてガス消費量とCO₂排出量が大きく削減された。投資回収も現実的な期間となり、寒冷地キャンパスの脱炭素化に有効であることが示された。
92   カーボンニュートラルガスを供給する3電池搭載集合住宅におけるエネルギーデータの分析
    ※藤本卓也,原田真宏(大和ハウス工業株式会社)
     本研究では、CNLPGが供給される、太陽光発電・燃料電池・蓄電池を搭載した当社施工集合住宅を対象に、2025年の年間エネルギーデータを分析した。その結果、対象12戸の電力自給率は平均72%であり、電力消費量が大きい住戸ほど設備利用率が高い傾向であった。また一般住戸と比較し、一次エネルギー消費量平均115%、CO₂排出量平均140%削減しており、ネット・カーボンマイナスを達成していることを確認した。
93   回転リングディスク電極測定におけるPtリング電極上の一酸化炭素吸着の速度論的解析
    ※城石英伸,奥﨑翔(物質・材料研究機構/東京工業高等専門学校),庄司良(東京工業高等専門学校),野村晃敬(物質・材料研究機構)
     我々はディープラーニングと回転リングディスク電極(RRDE)測定を組み合わせることによってCO2電解還元における安価で高速な生成物定量法として有効であることを報告してきた.本研究では,上記測定法のメカニズムを明らかにするために,Ptリング電極において一酸化炭素を検出する際の,吸着時間と回転速度,一酸化炭素被覆率の関係を,有限差分法を用いたシミュレーションにより解析することを目的とした.

セッションE2(13:20~14:20):脱炭素ソーラーフューエルⅡ

94   g-C3N4を用いた電気化学的二酸化炭素還元
    ※奥﨑翔,城石英伸(物質・材料研究機構/東京工業高等専門学校),庄司良(東京工業高等専門学校),野村晃敬(物質・材料研究機構)
     g-C3N4は二酸化炭素や窒素を還元する光触媒として広く研究されている一方,電極触媒としての応用も期待されている.本研究では,g-C3N4をガス拡散電極に適用した燃料電池型電解セルを構築し,その電気化学的二酸化炭素還元特性を評価することを目的とした.
95   Sbドープ酸化スズを担持体とする直接メタノール型燃料電池(DMFC)に向けたPtRu系触媒の開発
    ※吉山祐一,福田剛士,伊藤省吾(兵庫県立大学大学院)
     直接メタノール型燃料電池(DMFC)の実用化にはメタノール酸化活性の更なる向上が求められる.本研究では,従来のPtRu/C触媒の担持体に代わる高い被毒耐性を持つ材料として,アンチモン(Sb)をドープした酸化スズ(SnO2)を用いたPtRu/Sb-SnO2触媒を開発した.本触媒作成時の前処理条件,及び電気化学測定時のアクティベーションについて報告する.
96   水電解によるグリーン水素製造時の電解液の濃度変化に関する研究
    ※行天久朗(兵庫県立大学社会価値創造機構),福田剛士,伊藤 吾(兵庫県立大学大学院),相澤将徒(大阪国際工科専門職大学)
     人類の持続可能社会の実現には、太陽光発電などの再生可能エネルギーを用いた水電解による、グリーン水素製造のより一層の高効率化が不可欠である。現在、触媒やセパレーターなど材料技術をターゲットにした研究開発が盛んであるが、電解液に関する研究は十分ではない。本研究では水溶液の電解通電中に起こる電解液の濃度変化について測定し、解析・考察したので、その結果を発表する。

セッションE3(13:00~14:00):脱炭素ソーラーフューエルⅢ

97   固体高分子形燃料電池触媒として用いる酸化スズナノ粒子のドーピング効果
    ※福田剛士,伊藤省吾(兵庫県立大学)
     燃料電池自動車の普及に向けて、従来カーボン担体の低耐久性が課題となっている。本研究では高耐久な代替材料として酸化スズに着目し、異元素ドーピングによる触媒活性の向上を検討した。計20種類の元素をドープした酸化スズナノ粒子を作製し、材料特性および触媒活性への影響を評価した。
98   直接メタノール形燃料電池におけるPtRu/C触媒の合成法が合金化度および電気化学特性に及ぼす影響
    ※メンドサペニャ カシムホセ(兵庫県立大学大学院)
     直接メタノール形燃料電池(DMFC)は脱炭素化に向けた有望な技術ですが、一酸 化炭素による白金(Pt)の被毒を防ぐためにはPtRu合金触媒が不可欠です。本研 究では、PtRuの合金化度および触媒活性を向上させるため、異なる溶液法を用い てPtRu/C触媒を調製しました。構造解析および単セル試験の結果から、合成経路 がいかに合金形成を制御し、DMFCの電気化学的性能を向上させるかが明らかにな りました。
99   水熱合成SドープおよびCNT導入によるFe-Co-NC触媒のORR活性向上
    ※加藤一真(兵庫県立大学大学院)
     Fe/Co添加ZIF-8を炭化し,そこにSを水熱合成によりドープし、非白金燃料電池触媒(Fe-Co-S-NC)を創製した。CNT導入により,比表面積の向上と電子伝導ネットワークの構築を試みた。三電極(RDE)測定により高い酸素還元(ORR)活性と優れた耐久性を確認した。CNT導入がORR特性を向上させたため、CNTが物質移動抵抗を低減させることを予測した。