会長あいさつ

会長挨拶
法人第5期会長就任にあたり

    会長 須永 修通

 日本太陽エネルギー学会 法人第5期 の会長に選出されました須永修通(スナガ ノブユキ)です。専門分野は建築で,環境共生建築や省エネルギー,人体の温熱快適性などの研究をしております。私は,本学会に1980年に入会しましたので,36年以上本学会にお世話になっていることになります。今回,第3・4期の会長を務められた太和田善久さん(現名誉会長)から,「光発電がここまで発展した ので,次は,ゼロエネルギーが必須となる建築が頑張る番」とバトンタッチされました。

  さて,世界は,地球温暖化防止のために急務となっている100%RE(100% Renewable Energy:必要なエネルギーを100%自然・再生可能エネルギーで賄うこと)に大きく踏み出しています。例えば,世界有数の企業が130社以上,操業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを宣言しているそうです。そのような世界的な潮流ゆえに,パリ協定で日本が宣言した「2030年度までに温室効果ガス排出の2013年度比26%削減や再生可能エネルギーの全電力に占める割合を22~24%にする」という目標は,経済協力開発機構(OECD)などにより不十分とされているようですし,私もそう思います。

  100%REを達成するには,もちろん,太陽光発電,太陽熱や風力,地熱など,様々な再生可能エネルギーの拡大が必須であり,そのためには各エネルギーにおける理論,技術,政策などの向上が求められます。また,100%REの達成には省エネも重要であり,建築をはじめ各分野の最大限の努力が求められます。これらの技術的な側面において,本学会の役割が大変重要であることは言うまでもありません。

  また,100%REを達成するには,もう一つ,一般の方々がこの必要性を理解し,100%REの生活をすることが不可欠です。この一般の方々への働きかけの面でも,本学会は大きな役割を果たさなければなりません。

  これらの問題に対して,本学会では,太陽熱部会,太陽光発電部会,ソーラー建築部会,光化学・バイオマス部会,グリーン水素・北方圏研究部会,および2015年度に立ち上げた100%再生可能エネルギー研究部会により対応してまいりましたが,今後さらにこの動きを加速する必要があります。そこで,当面の問題と対策を考えてみますと,次のような3点が挙げられると思います。

  まず,本学会がすべての自然・再生可能エネルギー,省エネ技術等の持続可能な社会構築に関する事柄を対象としていることが,「日本太陽エネルギー学会」という名称からか,残念ながらあまり世の中に認知されていません。従いまして,各委員会委員を中心に,ホームページや学会誌の改良,あるいは様々なイベント開催などを行い,この認知度をあげることが重要と思います。

  次に,学会の活性化および認知度向上のために,学会の中心となる研究発表会の発表論文数の増加と内容の充実を図り,発表会を魅力的なものにすることが必要と思います。1題の発表時間が15分あることなどの利点をアピールして,多くの方をお誘いし発表していただくなど,すべての会員の皆様にご協力をお願いする次第です。

  また,省エネや発電などの効率の向上,あるいは再エネのベストミックスなどには,ITやAI技術の導入が必須です。この分野の方にも,是非ご入会・ご発表いただけますよう,お声がけいただけると幸甚です。

  最後に,日本太陽エネルギー学会がますます活発化することを祈念いたしまして、会長就任の挨拶とさせていただきます。                           

2018年6月