ブックタイトル新太陽エネルギー利用ハンドブック

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新太陽エネルギー利用ハンドブック

?? ?Q?dλI ??? ?= I ??? ?? ? ?Q?dλ×(1)? ? ?Q?dλ? ? ?Q?dλここでISC,Sは基準太陽光下における測定サンプルの短絡電流,ISC,Mはソーラシミュレータ下における測定サンプルの短絡電流,ΦSは基準太陽光の相対分光放射照度,ΦMはソーラシミュレータの相対分光放射照度,QRは基準太陽電池セルの相対分光感度,QMは測定サンプルの相対分光感度である.各種太陽電池サンプルの相対分光感度特性を図5・1・4に示す.次に,室内測定で注意すべき要因を述べる.基準太陽電池セルや測定サンプルの温度は,測定中は25℃に管理しなければならない.パルス光ソーラシミュレータの場合は通常は室温で管理することが,定常光ソーラシミュレータの場合は光照射中に温度上昇するために,水冷または電子冷却,チャンバを用いて冷却するなど温度調節装置を導入しなければならない.太陽電池セルや太陽電池モジュールのI-V曲線測定の際に,測定系の抵抗による測定誤差を防ぐために,電流と電圧に別々のプローブを用いる4端子法(ケルビン法)が用いられる.特に,電流の大きい結晶シリコン太陽電池では,4端子法の測定系が不可欠である.また,時定数の大きな測定サンプル(色素増感,高効率結晶シリコン等)は,I-V曲線測定のスイープ方向やスイープ速度を注意しなければならない.ソーラシミュレータの放射照度は,有効放射面内であっても場所により不均一である.最高クラスのソーラシミュレータであっても,±2%と無視できない大きさである.測定サンプル全体の平均放射照度と基準太陽電池セルの放射照度が等しくなるように位置を決定する必要がある.また,ソーラシミュレータの放射照度は,ミリ秒単位から数時間単位の様々な時間スケールで周期的に変動する.この照度変動を補正するために,測定サンプルの側に照度モニタを設置し,照度変動を補正することが望ましい.室内評価技術は文(2)?(8献)に詳細に記述されている.(4)屋外出力評価技術室内評価とは異なり屋外評価では放射照度,すなわち日射強度は全天日射計を基準として評価することが一般的である.日射計と太陽電池の角度依存性や照度依存性は異なるが,同種類の太陽電池であっても,表面のコーティングや表面テクスチャー構造,反射防止膜形成組成物によって光学的特性は異なる.したがっ図5・1・4各種太陽電池モジュールの相対分光感度特性の例て,屋外評価における日射強度の測定は,基準太陽電池セルや基準太陽電池モジュールを用いるよりも,気象庁が観測している気象官署やアメダスなどのデータベースが利用できる全天日射計の方が適している.太陽電池の屋外出力に影響を与える主な要因として,日射強度,デバイス温度,日射スペクトルがあげられる.これは室内評価において標準試験条件により規定されていることにより明らかである.しかし,薄膜系太陽電池は,光照射効果や熱アニール効果によりメタスタビリティ(Metastability)と呼ばれる準安定状態の影響により,標準試験条件においても一定のI-V曲線を示さない.また,角度依存性や日射強度と出力の線形関係からの乖離を意味する照度依存性なども評価しなければならない.ここでは複雑な議論は避けるために,太陽電池の出力は日射強度とデバイス温度と線形な関係があると仮定して議論する.まず,日射スペクトルとメタスタビリティが出力に及ぼす影響について解説をし,屋外計測における出力係数の標準試験条件への換算方法について解説する.(5)日射スペクトルの影響の評価図5・1・4に各種太陽電池モジュールの相対分光感度特性が示されている.A/Wの次元をもつ絶対分光感度特性を最大値で無次元化したものが相対分光感度特性になる.また,デバイス開発の分野で使用される量子効率(Quantum Efficiency: QE)と絶対分光感度(Absolute Spectral Response: SR)の関係は以下の式で表される.QE=SR×hc(2)qλここでhはプランク定数,cは光速,qは電気素量,λは光の波長である.?150 ?