ブックタイトル新太陽エネルギー利用ハンドブック

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新太陽エネルギー利用ハンドブック

果も加わることで,界面準位が存在する結晶表面が空乏層内に位置し,強い内部電界によるキャリア分離により再結合が生じにくい.これらによりa-Si:H/c-Si界面での再結合速度が,2cm/s程度以下という非常に良好な値が得られており(5),このことがHIT太陽電池の高いVocの要因となっている.3・1・4温度特性太陽電池はその使用材料に依らず出力特性は素子温度に依存し,温度の上昇で出力電力は減少する(図3・???開始した.当初は,量産モジュール1枚当りの出力は180Wであり,太陽電池セル1枚当りのエネルギー変換効率は平均17.3%であった.その後,様々な技術開発の導入により,2012年3月には,モジュール出力240W(セル1枚当りの変換効率:21.4%)へと向上している.一方,研究レベルにおいても,図3・1・4に示すように,着実に変換効率の向上を進めており,2013年1月には実用サイズ(101.8cm 2 )でのエネルギー変換効率24.7%(AIST測定;図3・1・5)を達成するなど(6),現在もなお進化し続けている.これは,これまで述べてきたHIT太陽電池の特長であるi型a-Si:Hを用いたパッシベーション性能の改善を柱に,表面電極のアスペクト比改善,透明電極層の改善による電流および抵抗損失の改善等の要素技術開発によるものであり,開発された技術は製品へ展開され,前述のモジュール出力向上へ活かされている.図3・1・2変換効率の温度依存性???????????? ??????????????2524232223.0%?Feb. 2009?>200μm24.7 4.7%?Jan. 2013?98μm23.9%?Jul. 2012?98μm21R&D????????????????????????????????????????????????20'00'02'04'06'08'10'12'14?図3・1・4HIT太陽電池の変換効率の変遷図3・1・3発電量の変化(1日)1・2).しかし,HIT構造は一般的な結晶Si系太陽電池に比べて,その温度依存性が大幅に改善されており,夏場の高温条件下に強い太陽電池である.屋根の上に設置された太陽電池の温度は夏場には80℃以上になることも少なくない.図3・1・3に発電量の1日の実測値を示すが,HIT太陽電池は通常の単結晶Si太陽電池に比べ,約10%多く発電していることが分かる.このようにHIT太陽電池は実使用上有利で,ユーザーにとってメリットが大きい太陽電池と言える.3・1・5エネルギー変換効率の向上パナソニック(当時は三洋電機)は1997年10月に,HIT太陽電池を用いた太陽電池モジュールの発売を図3・1・5HIT太陽電池の出力特性(AIST測定)また,2009年以降,低コスト化を目的にSiウェハを従来の半分以下の厚み100μmにまで低減しつつ,高い変換効率との両立を実証している(図3・1・4).詳細は他に譲るが(7),HIT太陽電池の良好なパシベーション性能により,基板厚を薄くした場合にVocを増? 102 ?