ブックタイトル新太陽エネルギー利用ハンドブック
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新太陽エネルギー利用ハンドブック
表1・1・1太陽電池の技術開発史18401839年湿式セルで光起電力が確認された(ベクセル)1876年Se(固体状態で)の光起電力素子の発明(Adams & Day)1883年?面接触型?のSe光起電力セル(Fritts)19001904年Cu-Cu2Oの整流性,光起電力の発見(Hallwachhs)1906年アントラセン光伝導の研究(Pochettino)1925年量子力学の基礎(シュレーディンガーとハイゼンベルグ)1942年高純度Si単結晶育成技術(チョクラルスキー法を用いて)1947年点接触型トランジスタ誕生(ブラッティン,バーディーン)19501951年接合型トランジスタの誕生(ショックレー等)1952年気相の不純物をSiへ拡散しpn接合形成(フーラー)1954年pn接合Si太陽電池の誕生(ピアソン,シャピン,フーラー)19551955年日本で最初のSi太陽電池を試作(NEC林一雄等)1955年CdS太陽電池の開発(レイノルド等)Jacksonらマルチジャンクションの提案1956年GaAs太陽電池の開発(ジェニー等)1958年日本で最初の太陽電池応用(東北電力信夫山無線中継所)マグネシアフタロシアニンにおける光起電力の観測(Kearnsら)19601960年太陽電池グリットライン,Ti-Ag蒸着コンタクト(ベル研)1960年単結晶CdTeでpn接合変換効率4%(Vodakov)1961年結晶Si太陽電池付きトランジスタラジオ発売(シャープ)1963年BSF型太陽電池(ウルフ)液晶ディスプレイの発明(Heilmeier)1967年リボン多結晶Siの開発1969年薄膜CdS/CdTe太陽電池(Adirovichら)19701970年グロー放電法によるa-Si膜形成(スピア,ルカンバー)1971年EFG法多結晶Si開発1972年モリブデン薄膜上にCdS膜を蒸着した太陽電電池(Bonnetら)バイオレットセルの開発本多・藤嶋効果1973年第1次オイルショック1974年テクスチャセルの開発,サンシャイン計画発足CdS/CuInGaSe2単結晶ヘテロ接合太陽電池(ワーグナー)19751975年a-Siの価電子制御に成功(スピア,ルカンバー)1976年a-Si太陽電池の発明(カールソン)多結晶Si鋳造法(キャスティング法)の開発1977年ポリアセチレンのドーピング(白川)1978年ショットキー型有機薄膜太陽電池開発(D.L. Morel)a-Si多接合太陽電池(濱川),集積型a-Si太陽電池(桑野)CuInSe2太陽電池1979年a-Siを用いたTFT開発(ルカンバー)19801980年a-Si太陽電池実用化(ソーラー電卓発売:三洋)1981年p型a-SiC及びヘテロ接合太陽電池の開発(太和田)1982年新CdTe形成法:近接昇華法(CSS法)の開発(タイアン)1985年フラーレンの発見(カロトー)1986年ヘテロジャンクション有機太陽電池(Tang)1987年有機ELの発明(Tang)19901990年HIT型太陽電池の開発(田口)1991年バルクヘテロジヤンクション太陽電池の提案(平本)1991年色素増感太陽電池で7.9%(M.Graetzelら)1992年逆潮流あり住宅用太陽光発電開始1994年ポリマーC60ヘテロジャンクション太陽電池(Sareiciftci)1995年ポリマー/ポリマーヘテロジャンクション太陽電池(Yu/Hallha)1998年電力用a-Si太陽電池本格発売(カネカ)20002002年Si量子ドット(Zhachariasら)2002年a-Si/微結晶Siのタンデム太陽電池発売2004年世界の太陽電池生産量1GWを超える2005年InGaP/InGaAs/Ge太陽電池で39.2%(200倍集光)シャープ2005年SiO2系,Si3N4系Si-QDSLの作製に成功(Greenら)2009年世界の太陽電池生産量10GWを超える20102011年世界の太陽電池生産量約34GW2)偶然,Si整流器に光を照射し光起電力効果を見出す1953年にショクレーのトランジスタ開発グループに所属していたピアソンがSi整流器に光を照射したところ,強い光起電力効果を見出した.Siのpn接合での最初の光起電力効果の発見である.そこでピアソンはSe光電池を用いた電源の研究をしていたシャピンにこのSiデバイスを提供した.シャピンはこのSiデバイスが,従来のSeの光電池に比べて5倍の出力があると報告した.シャピンらは改良を重ね1954年にはヒ素を添加したn型シリコン基板にボロンを拡散し,薄いp層を形成したpn接合太陽電池を作成し,太陽光下で小面積ではあったが,最も高い変換効率として6%を示したと報告した(初期の太陽電池の構造を図1・1・2に示す) (4).図1・1・2ピアソン等の初期のSi太陽電池の構造3)エネルギー源としての光電力素子1954年4月にニュヨークで3人は記者発表し,太陽光から直接,実用的な電力を発生する太陽電池を報告した.ニューヨークタイムズは以下の記事を載せた.“新しい時代の始まりがやってきた.やがて人類の最も大切な夢が実現するであろう.”―ほぼ無限の太陽エネルギーを活用して(つまり太陽電池を活用し)文明に役立てる時代がやってくる―(筆者の意訳)発表に用いられた歴史的写真を写真1・1・1に示す.3人の発明者が中央に置かれた小さなSiセルを覗き込んでいる.? 2 ?