2021年度 日本太陽エネルギー学会 研究発表会 プログラム

※題目・発表者・概要は、発表申し込み時点のものです。

11月11日11月12日

11月11日(木) 

9:10~10:10 セッションA1:太陽電池Ⅰ(材料・デバイス)

1   Geシード技術を活用した多結晶GaAs膜のガラス上合成と粒径―分光感度の相関解明
    ※西田竹志,末益 崇,都甲 薫(筑波大学)
     III-V族化合物半導体をベースとした多結晶薄膜太陽電池は、結晶粒径と光学特性の相関に関する理論的研究により、そのポテンシャルの高さが示されてきた。しかし、安価な非晶質基板上のGaAs膜合成技術は確立されていなかった。本研究では、「Ge膜の粒径制御技術」を活用することで、ガラス上GaAs膜の粒径を広い範囲で制御(1–330μm)するとともに、分光感度との相関を初めて実験的に明らかにし、単結晶膜に匹敵する高い分光感度を実証した。
2   半自動滴下装置を用いたペロブスカイト結晶層の貧溶媒法による 成膜検討
    ※齋藤直,柴山直之,池上和志,宮坂力(桐蔭横浜大学)
     ペロブスカイト層の貧溶媒法によるスピンコート成膜に用いるマイクロピペッ ト半自動滴下装置を作製した。半自動滴下装置により、成膜時の滴下速度、滴下時間、貧溶媒量のパラメータを数値化した。その結果、貧溶媒の滴下速度が、 成膜後のペロブスカイト層の平滑性に対する影響が大きいという結果が得られ た。この半自動装置により得れられたペロブスカイト膜の分析結果についても 報告する。
3   ペロブスカイト太陽電池の発電層結晶形成における塩素添加物の効果に関する研究
    ※高橋冴実,木下卓巳,内田聡,瀬川浩司(東京大学)
     ペロブスカイト太陽電池はペロブスカイト構造を持つ有機金属ハライド化合物を光吸収材料に用いた太陽電池である。発電層であるペロブスカイト結晶の成膜には従来ヨウ化鉛が材料に用いられているが、本研究ではより結晶性の高い膜が得られる塩化鉛を用いた手法に着目しその材料組成を従来の手法に適用することで光電変換特性の向上を試みた。またそれぞれの膜の物性を検討し、結晶成長過程における塩素添加物の効果を考察した。

10:20~11:20 セッションA2:太陽電池Ⅱ(材料・デバイス)

4   ボロンドープシリコンナノ粒子/ポリマー太陽電池へのTiO2電子輸送層とDEP層の導入効果
    ※金枝真帆,佐藤慶介(東京電機大学)
     本研究では、ポリマー太陽電池の発電効率を向上させるために、正孔の陰極への逆輸送を防ぐことができる正孔ブロッキング層(HBL)として酸化チタン(TiO2)を用いる。また、シリコンとポリマー間の密着性を向上させるためにDEP膜を導入する。本発表では、ボロン添加シリコンナノ粒子/有機ポリマー太陽電池にTiO2層とDEP層を導入したときの発電効率の影響について報告する。
5   ナノホール構造及び酸化チタン層を導入したSi/PEDOT:PSS太陽電池の性能評価
    ※徳田陸,佐藤慶介(東京電機大学)
     近年、低コストで製造可能な有機ポリマー材料とシリコン(Si)などの無機材料を組み合わせた無機有機太陽電池の開発が進められている。銅(Cu)触媒を用いたエッチング手法により、ナノホール構造をSi基板表面に形成した。加えて発電効率を向上のため、電子と正孔の再結合を抑制する正孔ブロッキング層の導入を行った。本発表では、Si/有機ポリマー太陽電池の性能について報告する。
6   リン添加シリコンナノ多孔粒子/ナノワイヤを複合化した無機有機ハイブリッド太陽電池セルの性能評価
    ※宮澤涼平,佐藤慶介(東京電機大学)
     シリコンと有機ポリマーを組み合わせた無機有機ハイブリッド太陽電池は、結晶シリコン太陽電池と比べ、製造工程が簡易であり製造コストも低い。しかし、変換効率は結晶シリコン太陽電池に比べ著しく低い等の課題を抱えている。本研究では変換効率を向上させるため、Ag/Au触媒を用いて作製したシリコンナノワイヤの導入及び、シリコンナノ多孔粒子へのリン添加を行った。本発表では作製した太陽電池セルの性能評価の結果を報告する。

12:40~14:00 セッションA3:太陽光発電Ⅰ(日射・出力予測)

7   独立成分分析を用いたサポートベクター分位点回帰による日射予測の検討
    ※高松尚宏,大竹秀明,大関崇(産業技術総合研究所)
     近年の太陽光発電設備の導入拡大に伴い、日射予測技術の高度化が求められている。特に、安定で効率的な電力系統運用のためには、予測のおおはずしを低減させることが重要な課題となっている。本研究では、数値気象予報データに対し独立成分分析による次元削減を用いてサポートベクターマシンによる分位点回帰モデルを構成することで、平均的な予測精度の向上に加えて日射予測の大はずしを低減させることが可能であることを示す。
8   出力予測の大外れ時のアンサンブル予報による雲量比較
    ※大竹秀明,大関崇(産業技術総合研究所)
     太陽光発電の翌日の出力予測の活用が電力の需給運用の中で活用されてきている。しかし、出力予測が広域エリアで大きく外してしまう事例も報告されている。出力予測の不確実性を分析、評価するにはアンサンブル予報の活用がある。本講演では、出力予測が大きく外れた場合のメソアンサンブル予報と全球アンサンブル予報による雲量の比較について事例分析を行った結果を報告する。
9   ニューラルネットワークを用いた水平面日射強度からの発電電力算出
    ※福田敦史,坂東隆宏,小林宏規,針谷達,滝川浩史,平塚元久(豊橋技術科学大学)、真木志郎(エイム)
     再生可能エネルギーの利用が注目される中,太陽光発電の需給予測の重要性が高まっている。本研究グループでは,雲影の挙動を実測することで水平面日射強度を予測するシステムの構築を進めている。本研究では,予測された水平面日射強度から発電電力への算出を,ニューラルネットワーク(NN)を用いて行った。入力データやネットワークの構造を検討したNNにより,実測値と算出値の誤差がどの程度まで抑えられるか評価した。
10   各電力供給エリアにおける太陽光発電・風力発電出力予測誤差の関係評価
    ※加藤丈佳,今中政輝,栗本宗明,杉本重幸(名古屋大学)
     筆者らは、将来の電力システムにおける電力需給解析を行うため、大量導入された太陽光発電および風力発電について年間8760時間の当日実勢および前日予測の時系列データを作成している。本報では、構築した時系列データについて、太陽光発電と風力発電の出力相関および予測誤差の相関を評価した。

14:10~15:30 A4:太陽光発電Ⅱ(システム)

11   小規模太陽光発電所の遠隔監視システムによる発電電力量監視サービスの開発
    ※安田陽(京都大学)、奥山恭之(エナジービジョン)、大門敏男(新エネルギーO&M協議会)
     太陽光発電所の遠隔監視システムは小規模設備にも具備されているが、気候や周辺環境により変動する発電状況の把握にはこのシステムのcsvデータを解析する必要があり、一般的な保守点検には含まれていない。本研究では、既存の遠隔監視システムを利用した発電電力量の時系列的推移により、発電阻害の状況を把握しその要因を推定する低コストな監視サービスを開発した。また、約140ケースのデータを集計して分析したので報告する。
12   独立形マイクログリッドシステムの設計及びシミュレーション評価
    ※濵健斗,渡辺由太郎,北沢慧大,臼井琉斗,西原智也,平田陽一(公立諏訪東京理科大学)、安藤昇(AKKA Japan)
     マイクログリッドが普及しないのは、商用系統から独立した際に何日間電気を供給することができるかが明確に示されていないこと、設備投資が高いことが原因であると考えられる。そこで、本研究では、一般家庭の30秒負荷データをシミュレーションに使用することで、電気を供給できる日数を推定すること、蓄電池容量の最適化を行うことを試みた。
13   住宅群を対象とした屋根貸しモデルによる太陽光発電の導入効果に関する検討
    ※西田侑記,若尾真治(早稲田大学)
     近年、脱炭素化を目指してPV導入促進のために屋根貸しモデルが提案されている。屋根貸しモデルとは、屋根貸し事業者が顧客の屋根を借りてPVを導入する形態であり、事業者はPV設置費を負担する一方で発電電力を活用できる。顧客も屋根賃貸料を受け取るメリットがある。本研究では、住宅群を対象に蓄電池を併設した屋根貸しモデルの導入シミュレーションを行い、経済性や環境性の指標に基づき、その導入効果を評価する。
14   東京都の再生可能エネルギー100%シナリオの検討~変動型再生可能エネルギーVRE大量導入および調達の方策と経済効果~
    ※松原弘直(特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所)
     ゼロエミッション戦略を策定している東京都の2050年までの再生可能エネルギー100%シナリオを検討した。グリーン・リカバリーを前提に検討した省エネルギーシナリオをベースに、域内外の変動型再生可能エネルギーVREのポテンシャルをもとにして、域内での大量導入と域外からの調達の方策を示し、エネルギーバランス分析とその経済効果を評価する。

15:40~16:20 A5:太陽光発電Ⅲ(ソーラーカー)

15   路線バス搭載PVシステムの発電電力量評価
    ※水野英範,伊野裕司,高遠秀尚,山田隆夫,髙島工,大関崇(産業技術総合研究所)
     本研究では、福島県郡山市を走る路線バスの屋根にPVモジュールを設置し、得られた発電量データを評価した。その結果、晴天時にはバスの路線に関わらず、当日の傾斜面積算日射量の約13〜15%の発電量が得られることが示唆された。また、バスに搭載されたPVモジュールは、1年以上経過しても大きな劣化はなく、当初の性能を維持していることが確認された。
16   画像解析法を用いたソーラーカーの発電シミュレーションモデルの改善
    ※小林大地,佐川耕平,木村英樹(東海大学)
     ソーラーカーは発電電力と消費電力のバランスを取った設計が求められる。そのため、車体に搭載した太陽電池の発電量を精度よく推定する必要がある。しかしながら、ソーラーカーのルーフ面は曲面形状であることや、キャノピーなどの突起物があるため発電量の算出が難しい。前回は、画像解析によって容易に算出できる手法を構築した。今回は、より精度の高い方法に改善したので報告する。

16:30~17:30 セッションA6:太陽光発電Ⅳ(不具合①)

17   自然光を利用したPL観察による太陽電池モジュールの故障検査
    ※高野和美(株式会社アイテス)、有松健司(東北電力株式会社)
     昨年、内部回路の断線やセルの異常をPL検査する原理実験として実験室内でLED光源を使用した結果を報告した。本発表では、自然光を利用した屋外での実証実験結果として、市販のモジュールでのバイパスダイオード回路短絡とセル内クラックや断線の事例を報告する。
18   発電電圧の変化量による機械学習を用いたホットスポット発生の判定方法
    ※石倉規雄,本池竜也(米子工業高等専門学校)、南野郁夫(宇部工業高等専門学校)、桶真一郎(津山工業高等専門学校)、藤井雅之,平田拓也(大島商船高等専門学校)、濱田俊之(大阪電気通信大学)
     本研究では,火災につながるホットスポットの検出方法について,機械学習を用いて無人監視システムを構築することにより簡易化および利便化することを目的としている.本稿では,シミュレーションソフトを用いて簡易な太陽光発電システムの疑似モデルを作成し,ホットスポットの有無,環境条件等を変化させた教師データを生成した.また,生成した教師データを用いた機械学習によりホットスポット発生を推定できたので報告する.
19   周囲磁束密度分布測定に基づく打ち切り特異値分解を用いた太陽電池モジュール内 電流密度分布の可視化
    ※西美颯人,大西佑貴,髙橋康人,藤原耕二(同志社大学)
     周囲の磁束密度分布測定に基づくPVモジュールの故障診断法は,他の画像診断法では判別が困難な不具合を発電状態で検出可能である特長を有する.しかしながら,磁束密度分布を適切に解釈するためにはモジュール内電流密度分布を推定する必要があり,本手法のさらなる実用性向上のためには電流分布の可視化が望ましい.そこで本稿では,打ち切り特異値分解を用いてPVモジュール内部の電流密度分布を可視化し,その有効性を検証する.

9:10~10:10 セッションB1:気象・日射Ⅰ

20   観測点周辺の平滑化効果を考慮した空間平均日射量の変動特性
    ※村田雅史,今中正輝,栗本宗明,加藤丈佳(名古屋大学)、杉本重幸(中部電力)
     筆者らはこれまでに、一つの観測点が代表する等価半径十数kmの範囲における空間平均日射量の変動特性を算出するためのモデルを構築している。今回、より短周期の変動の独立性を考慮し、中部エリアにおける空間平均日射量の変動特性を評価した。
21   積雪した太陽電池モジュールにおける熱収支と滑雪現象
    ※伊髙健治(弘前大学)
     青森市に設置した太陽電池アレイ試験体について、モジュール裏面温度および熱流と気温・日射量の測定を行った。積雪時において、気温・日射量が滑雪現象に与える時の振る舞いについて報告する。モジュール裏面温度の振る舞いは、パネル上の雪の有無と日中の日射や夜間の放射冷却によって大きく変化し、滑雪直前には、熱流入の方向反転が見られた。
22   実測値に基づく分光日射量の検討 ~地上観測データによる分光日射量の推定(つくば市)~
    ※馬場弘,金山公夫(元北見工業大学)
     NEDOから公開された日射スペクトルデータベース(ver-3)を用いてつくば市の水平面日射スペクトル強度 W/(㎡μm)、とその波長積分値Wh/㎡、水平面全天日射量 Wh/㎡、日照率及び太陽高度 °の関係を整理した。その結果、つくば市について水平面全天日射量、日照率及び太陽高度から対応する日時の分光日射量を誤差6~8%で推定出来る事を明らかにした。

10:20~11:40 セッションB2:気象・日射Ⅱ

23   新旧NEDO日射量データベースの比較
    ※板垣昭彦,宇都宮健志,佐々木潤(日本気象協会)
     著者らはNEDOの委託研究の一環として,わが国における日射量データベースの整備を継続している.2021年4月には,月平均の日射量データを収録したMONSOLA-20 ,毎時の気象データを収録したMETPV-20がNEDOのホームページで公開された.これらは,従来のMONSOLA-11およびMETPV-11の後継版である.今回は,従来の日射量データベースと更新された日射量データベースの比較結果について発表する.
24   勾配ブースティング決定木を用いた数値気象予測の日射量補正の試作
    ※菅野湧貴,橋本篤(電力中央研究所)
     高精度の太陽光発電出力予測には、数値気象予測から高精度な日射量予測を得ることが重要であるが、数値気象予測で得られる日射量には系統誤差が含まれる。そこで本研究では、勾配ブースティング決定木を用いて富山地方気象台を対象とした数値気象予測の日射量補正を試作した。学習に利用するデータの地点数、気象要素数、時間ラグ数などを変えた5つの実験から、これら全てを加えることで補正前に比べて32%の精度改善を確認した。
25   ひまわり8号を用いた日射量短時間予測~物理とAIのハイブリッド型モデルの開発~
    ※佐々木潤,宇都宮健志,岡田牧,吉川茂幸,山口浩司(日本気象協会)
     著者らはNEDOの委託研究の一環として、ひまわり8号の観測データを用いた日射量短時間予測技術の開発を行っている。時間前市場の計画値策定などへの利用を見据えて、相互相関法に代表される従来の予測技術から大幅な精度向上を目指す。そのために、深層学習の枠組みに雲力学や雲物理の先験的な知識を組み込んだアプローチを試行中である。今回は、取り組みの概要と試行結果について発表する。
26   過去気象データを用いた日本における太陽光発電量の変動特性の解析
    ※渡邊武志,岡和孝,肱岡靖明(国立環境研究所)
     より良く太陽光発電を利用するためには、気象現象に影響を受ける太陽光発電量の変動性の理解が必要である。本研究では、過去の気象データを用いた長期間の太陽光発電量のシミュレーションデータを作成し、作成したデータを用いて太陽光発電量の変動特性に関する解析を行った。発表では、実際に起こりうる気象現象に起因する太陽光発電量の変動の特徴に関して議論をする。

12:40~14:00 セッションB3:建築環境設備

27   出身国・地域が異なる住まい手に適応した室内気候デザインの研究~札幌の住宅における冬季の乾き感・想像温度の関係~
    ※姚林彤,齊藤雅也(札幌市立大学)
     出身国・地域の違いが寒暑感・乾き感・熱的快適感に与える影響をアンケート調査と被験者実測によって明らかにした。札幌に1年以上住んでいる中国人・日本人を対象に、出身地別に中国北方、中国南方、日本北方、日本南方の4群に分けた。冬季の室内では寒暑感・乾き感が出身国・地域によって異なり、中国・日本のいずれも北方出身者は南方より室温が約3〜5℃高く、低湿度な空間で過ごす傾向があった。
28   寒冷地の夏季の病室空間における熱環境と熱中症リスクに関する調査 被験者年代とベッド配置に着目して
    ※池上帆乃香,高儀郁美,齊藤雅也(札幌市立大学)
     寒冷地の病院は冷房がない病室もあり、夏季の患者の熱中症リスクが懸念される。本研究では、札幌市内での夏季の病室の熱環境実測と申告調査で得たWBGT及び患者の想像温度に基づき熱中症リスクを明らかにした。WBGTが警戒域以上になる想像温度は20度以上であった。また、70歳以上の患者の想像温度は低いがWBGTは高く、高齢者の熱中症リスクが高い可能性がある。加えて、窓側はWBGTと想像温度の相関が高く、日射の影響が大きいと考えられた。
29   夏季の北方型住宅におけるオープンクーリング手法の研究
    ※泉龍雅,齊藤雅也,廣林大河(札幌市立大学)、福島明(北海道科学大学)
     本研究は、夏季に2階の窓を開放し冷房をする「オープンクーリング」手法の効果を明らかにするため、対象住宅の1階居間で冷房をし、2階窓を開閉する比較実験を行なった。実験中の外気温は約27℃で、2階窓の閉鎖時に室温25℃、寒さにより「不快でない・不快」という申告を得た。開放時は室温25℃で、「快適・不快でない」申告を得た。結果より、オープンクーリングは室内を冷やし過ぎない採涼手法であることがわかった。
30   木材熱容量の有効利用による室内温熱環境の向上に関する研究
    ※宮岡大,浦部智義(日本大学)、長内勇樹(オーファクトリー)、滑田崇志(株式会社はりゅうウッドスタジオ)
     本研究は、福島県産材のスギ材を用いたログハウスを対象として、まず、①スギ材の熱物性値や温度変動等の温熱特性の明らかにし、次に、②壁材として木材を大量使用した際の壁の熱容量に着目し、シミュレーション計算により、快適な温熱環境の形成に有効な内壁(蓄熱材)の厚さ、南面の開口率等を把握した。また、それらの変化による室内温熱環境に与える効果や、その効果による室内温熱環境の変化を把握した。

14:10~15:50 セッションB4:環境建築

31   氷蓄熱を併用した地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱出入口温度・冷温水ブライン出入口温度とCOPの関係
    ※金子知可,吉永美香(名城大学)
     大学施設に導入された、氷蓄熱を併用した地中熱利用ヒートポンプシステムを対象に、COPに影響を及ぼす温度パラメータの抽出を行う。約2年半の運用データを用い、地中熱出入口温度、冷温水出口温度、氷蓄熱用ブライン出入口温度と、ヒートポンプチラーのCOPとの関係を分析する。
32   群馬県伊勢崎市の断熱気密住宅における床下エアコンの運用方法に関する実測調査
    ※三田村輝章,刀禰館優花(前橋工科大学)
     本研究では,群馬県伊勢崎市に建設された断熱気密住宅において床下エアコン空調の有効性について検討することを目的として,年間にわたる室内温湿度とエアコン電力消費量の実測調査を実施した。本報では,各季節におけるエアコンの運用方法と実測調査の結果について報告する。
33   太陽エネルギーを活用したエネルギー自立住宅の実証に関する研究
    ※水野朝弘,相曽一浩,盧炫佑(OMソーラー)
     本報では、健康・快適な住環境を確保した上で、脱炭素社会の実現のため、太陽熱・排熱利用暖冷房換気給湯システム(OMX)と蓄放電システムを搭載した住宅において、リアルタイムでゼロエネルギーハウスを達成するAll Time Real ZEHを目指した実証を行っており、その結果の一部を報告する。
34   床下・壁体内空気循環工法による全館空調住宅における実測調査 その2 エアコンの運用方法の違いによる室内温熱環境とエネルギー消費量への影響
    ※谷口祐仁,三田村輝章(前橋工科大学)、福地脩悦(福地建装)、山﨑弘一,大村圭(山崎建設)
     群馬県前橋市に建設された床下・壁体内空気循環工法の全館空調住宅において、小屋裏に設置された壁掛けエアコン1台で全館空調を行う場合と、補助としてリビングに設置されたエアコンを併用する場合について、室内温熱環境とエネルギー消費量の比較を行い、その影響について分析する。
35   鋼板製簡易型光ダクトに関する研究
    ※池鯉鮒悟(久留米工業大学)
     光ダクトは、屋外の自然光を採り込み、ダクトを通じて室内に光を導入するシステムで、シンプルな自然エネルギー利用のシステムである。材料としては鏡面研磨したアルミ板などが使用されるが、高価で普及しにくいという問題があった。本研究では一般的な鋼板製ダクトを使用し、内面に反射率の高いアルミテープを貼り付けることで反射率を上げ、安価な光ダクトを提案、その基本性能を明らかにした。

16:00~17:40 セッションB5:太陽熱利用

36   方向別許容入射角を持つ3次元太陽集光器の設計法
    ※Aissatou MBOUP,秋澤淳(東京農工大学)
     本研究では,非追尾型 3 次元集光器の新たな設計方法を提案する.方向別に異なる許容入射角を持つ複合放物面鏡(CPC)を連続的につなげた形状をしており,東西方向と南北方向に異なる許容入射角を設定できること,受光部の形状を楕円形や長方形にできることに特徴がある.今回は,許容入射角や受光部形状を変化させ,光学シミュレーションによって集光性能を解析した結果を報告する.
37   太陽熱集熱器の実測とそのモデル化に関する研究
    ※井後尋斗,横山計三(工学院大学)
     本研究では、太陽熱集熱器の実測と熱バランス解析によるシミュレーションモデル作成を行い、その結果を用いてLCEMによる年間シミュレーションへ活用することを考えています。本報告では、実測の結果とシミュレーションモデルの評価結果を示します。
38   自然環境調和型PV/Tソーラーパネルのカバーガラスが性能に与える影響の検証
    ※寺島康平,佐藤春樹,伊香賀俊治(慶應義塾大学)
     本研究室では集熱と発電を同時に行い、自然環境への熱放射を抑制するPV/Tソーラーパネルの開発を行っている。これまでに開発してきたPV/Tソーラーパネルは集熱器内部に太陽電池を搭載し、カバーガラスで密閉する形状であったが、今年度は太陽電池を前面としたパネルを開発し、その性能を検証したので報告する。
39   廃熱環境発電における焦電素子と熱電素子の特性比較
    ※竹内稜星,根本晃成,馬場将亮,山田昇(長岡技術科学大学)
     廃熱や太陽熱の活用方法として,焦電素子や熱電素子を利用した環境発電が注目されている.従来研究は素子の材料特性に焦点をあてたものが多く,時間変動する廃熱や環境条件の影響は十分に把握されていない.本研究では,焦電素子と熱電素子の発電性能をシミュレーションおよび実験により比較した結果について報告する.

11月12日(金)

9:10~10:30 セッションA7:太陽光発電Ⅴ(不具合②)

40   短絡故障バイパスダイオードを内包した太陽電池アレイのI-V特性
    ※平田航,桶真一郎(津山工業高等専門学校)、南野郁夫(宇部工業高等専門学校)、濱田俊之(大阪電気通信大学)、石倉規雄(米子工業高等専門学校)、藤井雅之(大島商船高等専門学校)
     バイパスダイオードの短絡故障は,太陽電池アレイの発電性能の低下に加えて火災を引き起こす恐れがある。火災の発生した太陽光発電設備から収集した164個のバイパスダイオードのうち49個が短絡故障しており,その故障抵抗値は0~4.56Ωであった。また,短絡故障バイパスダイオードを含む太陽電池アレイの表面に生じる部分影の移動に伴うI-V特性の変化を調べ,故障バイパスダイオードの位置との関係について検討した。
41   ニューラルネットワークを用いたストリングI-Vカーブによる太陽光発電システムの複合不具合検出
    ※髙橋芳輝,植田譲(東京理科大学)
     太陽光発電(PV)システムを安全かつ効率的に運用するためには,PVシステムに発生する不具合を検出する必要がある。本研究では太陽電池ストリングから測定されるI-Vカーブを用いることによってPVシステムの不具合を検出するために,機械学習手法の一つであるニューラルネットワークを用いた手法を提案する。また不具合を模擬した実測データに対し本手法を適用することによって,本手法の有効性を検証した。
42   Imp, Vmp常時監視によるPV性能診断・不具合検出技術
    ※菱川善博,吉田正裕,千葉恭男(産業技術総合研究所)、Manit Seapan,岡島敬一(筑波大学)
     MPPT稼働するPVストリング中の動作電圧Vmp, 動作電流Impの常時監視により、複数モジュールが直列されたストリングの性能診断と、性能低下・部分影・BD動作等の不具合事象を高精度に検出する技術を開発した。過積載システムおよび、直並列されたアレイへの適用についても議論する。
43   PVモジュール温度推定式の提案
    ※山﨑有,松尾廣伸(静岡大学)
     PV発電量シミュレーションにおけるPVモジュール温度の推定精度向上のために、HOMERソフトウェアに用いられている温度推定式をベースに、標準試験条件(STC)および公称動作セル温度(NOCT)の値に風速の影響を加えてPV温度推定式を求めた。その結果、架台設置型の実測結果との平均二乗誤差はHOMERの温度推定式と比較して約4割の改善,JIS推定式と比較して約2割の改善がなされた。

10:40~12:20 セッションA8:太陽光発電Ⅵ(不具合③)

44   運用中の太陽光発電設備における不具合事例
    ※嘉数孝太(株式会社宜野湾電設)
     太陽光発電設備は固定価格買取制度により急速に普及が進んでいる。今後更なる普及が求められる中、適切な維持管理がされていない設備も多くみられる。太陽光発電設備はメンテナンスフリーではなく施工不良や品質不良、経年劣化等に起因する様々な問題が発生する。本発表では実際に運用されている太陽光発電設備で実施した不具合調査の一例を紹介する。
45   太陽電池モジュールストリングの対地絶縁抵抗の経時変化の実測と分析
    ※加藤和彦,池田一昭(産業技術総合研究所)
     (太陽電池モジュール)ストリングの対地絶縁抵抗は、他の電気工作物のそれと同様に、電気事業法関連法令で規定され、実際の太陽光発電設備の保安点検でも重要な測定点検項目の一つとなっている。しかし、その経時的な挙動や「ストリング―大地」間の等価回路に関する理論的検討は十分ではない。本発表では、その等価回路の把握を目的として実測したストリングの対地絶縁抵抗の経時変化データ群を予備的に分析した結果を報告する。
46   自己バイアス法による絶縁抵抗測定での測定時間の短縮に向けた対地電圧推定方法の検討
    ※髙島工,池田一昭(産業技術総合研究所)
     自己バイアス法によりPVストリングの絶縁抵抗を測定する際に、対地電圧の測定開始時刻からの過渡変化を数式化して先の時刻の対地電圧値を推定することにより、絶縁抵抗測定時間の短縮を図る方法を検討している。本報では、対地電圧の過渡変化を3種類の関数形で表現し、3つの推定電圧値から本研究で定めたルールに沿って選んだ最良値により絶縁抵抗値を算出した結果について、対地電圧の測定時間と推定誤差の関係を報告する。
47   各種太陽電池モジュール接続用コネクタの長期防水性の試験と水侵入要因の分析
    ※津野裕紀,加藤和彦,大関崇(産業技術総合研究所)
     太陽電池用コネクタの防水性はIP試験で評価されているが、水上太陽光発電システムや、恒常的に湿潤環境に置かれる場合などは、試験条件以上の期間防水性が求められる。本報告では各種の太陽電池モジュール用コネクタを数週間から数か月浸水させ、絶縁抵抗を測定することによりその防水性を評価した。またコネクタの組み立て方や構造などが防水性と関連があるか分析した。
48   実測による太陽電池モジュールストリングの対地絶縁抵抗とPCS運転中のもれ電流の対応の分析
    ※加藤和彦(産業技術総合研究所)
     電技解釈第14条には電路の対地絶縁抵抗測定が困難な場合に当該電路の漏れ電流測定による代替を認める緩和規定がある。法令上は太陽電池モジュールストリングもこの緩和規定の例外ではないが、その妥当性の技術的議論はなされていない。そこで、この議論の土台とすべく、太陽電池モジュールストリングの対地絶縁抵抗とPCSを運転させた状態での漏れ電流を実際に測定した。本発表ではそれらのデータを分析した結果を報告する。

13:20~14:40 セッションA9:太陽光発電Ⅶ(不具合④)

49   PV遠隔安全診断システムによる異常状態の検出に関する検討
    ※戸田祐介,池田輝雄,森田拓弥(株式会社アイテス)、有松健司(東北電力株式会社)
     筆者らは太陽電池発電設備のバイパス回路などの異常状態を捉えるために,順方向降下電圧測定やインピーダンス測定を夜間に自動測定するIoT機器を開発している。この機器により蓄積された測定データを解析することで,遠隔から異常を検知するシステムの構築を進めている。実設備にて本システムの検証を実施している中で直流回路の状態を変化させた場合,蓄積された測定データの解析結果より異常検知した事例について報告する。
50   インピーダンス計測による太陽電池故障検出技術の基礎検討~太陽電池モジュールのインピーダンス特性における日射の影響~
    ※横澤康汰,西川省吾(日本大学)
    本研究では太陽電池ストリングのインピーダンスから,ストリング内の 故障の有無,種類等を知るための検出技術の確立を目的としている. 現在のストリングのインピーダンス計測は,直流抵抗の増加のみを知る ものだが,本研究では様々な故障検出につなげたいと考えている. 本稿では故障検出技術の基礎検討として,太陽電池モジュールの インピーダンス特性における日射の影響についての調査結果を報告する.
51   太陽光発電ストリング監視による異常検知-太陽電池ストリング線間短絡故障の検出-
    ※五十嵐蒼紫,西川省吾(日本大学)、下口剛史,浅尾芳久,谷村晃太郎(住友電工)
     太陽電池ストリングの電流を計測することで、故障箇所をストリング単位で検出可能である。本研究では、技術基準案に活用できるデータベースの構築を目的として、ストリング線間短絡故障が発生した際の電気的挙動について調査した。
52   太陽電池モジュールのバイパス回路の開放故障検出技術―印加電圧波形が検出精度に与える影響―
    ※窪田 洸,西川省吾(日本大学)
     従来の技術では太陽電池モジュールのバイパス回路の開放故障は検知できたが,故障位置の検出は困難であった.本研究は,バイパス回路の開放故障位置の検出技術の確立を目的としている.バイパス回路が動作する方向に電圧を印加し,開放故障部を大きく発熱させ,それを赤外線カメラで測定することにより故障を検出する.今回は,正弦波と方形波の電圧を印加した際の故障検出に与える影響を調査した.
53   地上設置型太陽電池アレイに作用する軒先の積雪荷重評価~試験体を対象とした測定結果による平地と傾斜地との比較~
    ※千葉隆弘(北海道科学大学)、安達聖,荒川逸人(防災科学技術研究所)
     地上設置型太陽電池アレイにおける積雪荷重による被害は後を絶たない。本研究では,試験体を対象に太陽電池アレイに作用する積雪荷重および軒先に作用する積雪荷重を測定し,平地と傾斜地とで比較することにより,傾斜地での積雪荷重評価方法について検討した。

15:10~16:30 セッションA10:太陽光発電Ⅷ(両面・集光)

54   マイクロCPV+モジュールと追尾平板太陽電池のフィールド試験による評価
    ※戸田皓太,宮邊澪樹,桶真一郎(津山工業高等専門学校)、山田昇(長岡技術科学大学)
     本校と長岡技術科学大学は共同でマイクロCPV+モジュールを開発している。マイクロCPV+モジュールは,Si単結晶太陽電池(Siセル)上に,3接合化合物太陽電池(3Jセル)を配置し,レンズと一体化したものである。2020年9月からそのフィールド試験を実施し,発電特性を計測している。法線面全天日射強度が963 W/m2のときの発電電力は315 W/m2(3Jセル:273 W/m2,Siセル:42 W/m2)で,モジュール総合効率は32.7%であった。
55   曲面PVモジュールの応力解析 ~平面PVモジュールとの比較~
    ※青木優馬,小林勇人,山田昇(長岡技術科学大学)
     自動車などの移動体の曲面ボディへのPVモジュール搭載が期待されている.しかし,曲面化によるセルへの機械的負荷を考慮した研究例は少ない.本研究では,信頼性評価規格に沿った温度変化,振動,荷重等を与えた場合の応力特性の違い,モジュールサイズによる影響等を応力解析により明らかにする.また,実験により解析の妥当性を検証する.
56   両面受光型太陽電池の発電電力量評価のためのエッジ効果低減方法の提案
    ※津野裕紀,大関崇(産業技術総合研究所)
     両面受光型太陽電池は裏面に照射される光も発電に利用することができる。しかしモジュール単独で評価する場合、アレイの端に設置すると、端から地面に反射した光からも発電する「エッジ効果」により発電量を過大評価することになる。本研究では適切な遮光によるエッジ効果低減方法を提案する。
57   深層強化学習による一軸追尾式両面受光PVシステムの角度制御
    ※土田脩斗,野中尋史,山田昇(長岡技術科学大学)
     一軸追尾式両面受光PVシステムの発電量を最大化する追尾角度制御手法として、自ら学習しながら、日時と日射条件などに応じて最適な追尾角度を決定できる強化学習型の制御手法の有効性を検討している。本研究では、深層強化学習のニューラルネットワーク構成やハイパーパラメータ設定が角度制御特性と発電量に及ぼす影響をシミュレーション等により調査した結果を報告する。

9:10~10:30 セッションB6:100%再生可能エネルギー部会 特設セッション

58   太陽光発電による脱炭素社会の実現に向けて
    ※山谷宗義(一般社団法人太陽光発電協会(JPEA))
     
59   2050年カーボンニュートラルへの取り組みと今後の展望
    ※斉藤長(一般社団法人日本風力発電協会(JWPA))
     
60   我が国の地熱発電の現状と展望
    ※有木和春(日本地熱協会(JGA))
     

10:40~12:00 セッションB7:風力・バイオマスⅠ

61   農業用パイプランが保有する落差を活用した管路式ナノ水力発電システムの研究
    ※津田学志,川浪隆幸(東プレ株式会社)、中矢哲郎(農研機構)、重光亨(徳島大学)、米田昇(金沢工業大学)
     近年、自然災害による大規模停電が発生し、災害に強い電源設備が求められている。また、農業分野では農業従事者の重負担軽減策として農機具の電動化や自動化の開発が進められている。しかし、電動化には連続稼働や充電時間の問題があり、給電設備の整備が課題となっている。本研究では、未開発領域の多いナノ水力以下(10kW未満)を対象に、小口径の農業用パイプラインの未利用落差利用の発電について報告する。
62   電析法によって調製したRu/TiO2触媒を用いた低温常圧下における電気化学的窒素還元
    ※今野龍刀,城石英伸(東京工業高等専門学校)、白石美佳,蒲生西谷美香(東洋大学)
     水素社会の実現に向けて,アンモニアが水素キャリアとして注目されている.自然エネルギーのオンサイト利用を容易にするためには,エネルギー消費量の大きいハーバー・ボッシュ法よりも低温常圧下におけるアンモニア電解合成が望ましいと考えられる.本研究では,TiO2ナノ粒子修飾カーボンペーパーにRuを電析させたRu/TiO2触媒を合成し,電気化学的窒素還元能の評価を行った.
63   光合成促進フィルムを用いたオイル産生藻類の検討
    ※村田泰樹,渡邊康之(公立諏訪東京理科大学)
     脱炭素社会の実現に向けて、次世代の再生可能エネルギーとして藻類バイオマスが注目されている。微細藻類は、一般的には水中に存在し、その多くは植物と同様に太陽光を利用し、光合成を行い、代謝産物としてオイルを産生すことから次世代の再生可能エネルギーとして重要とされている。 本研究は、オイル産生藻類であるソラリスを用いて培養試験を行い、光合成促進フィルムの光波長変換により細胞数を増加させることを目的とする。
64   有機薄膜太陽電池による発電とオイル産生藻類培養の両立に向けた検討
    ※宮森蒼太,渡邊康之(公立諏訪東京理科大学)
     近年の調査で、地球温暖化の主な原因は二酸化炭素であり、化石燃料に代わる新たなエネルギーとしてオイル産生藻類の研究が世界的に行われている。藻類の光合成に必要な光強度に対し太陽光は強光であり、1日の大半が藻類の光合成に阻害効果を及ぼす。また有機薄膜太陽電池には大幅な減光作用がある。本研究ではOPVでの発電と藻類培養の両立を目指し、オイル産生藻類に適した光強度の検討を行った。

13:20~14:40 セッションB8:バイオマスⅡ

65   サツマイモの半水耕多層栽培における下水施肥および採光条件の影響
    ※鈴木高広(近畿大学)、川上高男,久保裕志,宮部由彩,槇田祐介(日本下水道事業団)、廣島大祐(ウォーターエージェンシー)
     下水処理水を施肥しサツマイモの根圏灌水三層栽培を行ったところ、採光量が多い上層の葉は、葉面の明度やポリフェノール量を高めることで日射光の吸収率を低下したが、逆に、採光量が少ない下層の葉は日射光当たりの光合成収率が5%に達することを見出した。また、採光量が少ない下層は、芋/茎葉の重量比が低下することが明らかとなった。これらの結果から冬季も含む通年で太陽光を効率的に利用しバイオマスを大量生産するための栽培条件を解析した
66   サツマイモと下水汚泥を用いた嫌気消化反応におけるメタン生成効率の解析
    ※鈴木高広,坂本勝(近畿大学)、川上高男,久保裕志,宮部由彩,槇田祐介(日本下水道事業団)
     芋も茎葉もすべて可食性バイオマスであるサツマイモをメタンに変換し水素燃料資源として利用するために、下水汚泥の嫌気消化反応液に芋と茎葉を添加し、メタン発生量、生産速度、メタン濃度の変化から、メタン収率を解析した。その結果、間欠的に投入した芋・茎葉のほぼ全量をメタンに変換し、メタンを連続生産できることを見出した。
67   バイオマス発酵熱利用に関する研究
    ※根本泰行,青田翼(足利大学)
     落ち葉などを原料に堆肥を製造する際、発酵熱が生じることが知られている。本研究では、落ち葉などのバイオマスに比べ、品質にばらつきの少ない米糠を資源として用いて実験を行い、水分など各種条件と得られる発熱量との関係を調べた。
68   養殖水槽におけるシロギス成長と温度・照度の関係 ~瀬戸内里海の次世代養殖システムの開発研究~
    ※伊澤康一(福山大学)
      養殖魚の質と量の双方が求められており、その課題を「AIを用いた自発給餌システム」によって解決することに着目した。本研究では、水槽の熱・光環境と養殖魚成長の関係性を明らかにするとともに人工知能学習のための教師データ(基礎データ)を得ることを目的とした。 適水温域の時期によく成長するが産卵期には成長が鈍ることを確認した。高めの照度であった水槽よりも低めの照度であった水槽の方が、成長が早い傾向が見られた。
69   地球重力下, 常温, 常圧におけるロウソクの青炎燃焼~宇宙空間など微重力空間と類似の長期安定した球形青炎燃焼の発見~
    ※塙藤徳(森林総合研究所)
     これまで発表者は、地球重力下、常温、常圧においても(宇宙空間等におけるロウソクの半球状の青炎燃焼に似た)ロウソクの紡錘形を維持した青炎燃焼、障害物間において観察される輝炎の伸長・消滅の振動伴うロウソクの半球形青炎燃焼および着火直後の球形青炎燃焼を発表して来たが、これらの火炎を長期間安定して発生させる事は出来ていなかった。今回実験室において長期安定した半球形青炎燃焼を発生させる事が出来たので報告する。

14:50~16:30 セッションB9:応用利用

70   次世代太陽熱発電のためのCaMnO3系ペロブスカイト酸化物による化学蓄熱に関する研究
    ※林広佑,旗町剛,Selvan Bellan,児玉竜也,Cho Hyun-seok,郷右近展之(新潟大学)
     次世代太陽熱発電における固体粒子として、コスト面・安全性に優れたCaMnO3の高温化学蓄熱材料が着目されている。本研究では熱耐久性・反応性の向上を目的として、Mnを一部置換したCaBxMn1-xO3-δ(B=Fe、Cr、Cu、Mg)を合成した。熱重量分析を用いた熱力学的評価やX線光電子分光法による表面解析を行い、還元/酸化反応エンタルピーや金属カチオンの価数を推定した。
71   光電気化学反応高効率化のための水素生成電極における気泡制御の検討
    ※長谷川涼亮,大澤竜也,亀谷雄樹(千葉工業大学)
     光電気化学的水分解による水素の生成は太陽光を化学エネルギーに変換する技術であり、課題の一つに発生気泡によるエネルギー変換の阻害がある。本研究は水素生成電極の気泡を制御することによる効率向上を目的とした。気泡除去による水分解の過電圧の低減のため、気泡の付着力および気泡の流れを制御する電極周辺構造の検討を行った。
72   撥油性を有する蓄熱管内にある過冷却水の凍結開始に対する管外からの電場の影響
    ※藤澤秀光,藤本雅則(金沢工業大学)
     撥水・撥油性を有する蓄熱管内にシリコーン油と過冷却水が入っており,その管外面にある一対の線電極に直流高電圧を印加した.その際の,上述した二液と管内面から成る三相境界の不安定挙動を観察した.その結果,電場付与時,三相境界に特異な挙動が見られ,-5.0℃の過冷却水は短時間かつ高確率で凍結を開始した.加えて,実用化を見据え,複数本を束ねた蓄熱管内にある過冷却水を同時に凍結させることに成功した.
73   地域資源を活かした、エネルギー自給と地域経済循環について
    ※木皿且人(筆甫エネルギー自給研究会)
     筆甫地区は従来農林業で生計を立てていた中山間地でである。地域創生を図り、新たな産業を育成するため、地元の資源を活用し太陽温室と呼ばれる太陽熱をベースにした地中蓄熱等で省エネルギー図るとともに、放射冷却を抑制する手法について成立性について検討した。
74   着氷低減のための表面性状操作及び太陽光熱トラップ利用
    ※高田勇輝,大澤竜也,亀谷雄樹(千葉工業大学)
     低温環境下では着氷の問題が生じることがある。そこで本研究では、表面性状に依存する着氷の付着レベルを明らかにし、太陽光の吸収熱で融解させる技術の構築を目的とした。機械加工面やPDMSを用いたピラー構造に着目し、接触角や滑落角を測定することで、表面性能の影響評価をした。またグラファイトシートを用いた太陽光熱トラップにより、氷の融解を実験で確認した。